内容説明
奇術、猛獣使い、アクロバット、危険術と、バラエティショウを一杯につめこんだショウボート。港々を回航しながら興業をうっていこうという趣向だ。ところが初日を明後日に控えて殺人事件がおこった。しかも連続殺人が……。そのうえ被害者には奇妙な共通点があった。回文の名前をもつ――つまり上から読んでも下から読んでも同じ名前になる人物が、次々と殺されていったのだ……。トリック作りの第一人者が、奇抜な謎とペテンの楽しさを読者に贈るミステリーの一級品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こたつ
2
【図書館】2024/04/08
ふじさん
2
溢れんばかりの稚気と企みに彩られた、玩具箱のように華やかな長篇ミステリ。ショウボートを舞台に回文の芸名を持った出演者ばかりが殺害されていく、という着想が単なる外連味に留まらず、事件全体、物語全体の鍵としてきちんと理由付けされている点にまず感服。使用されている技法の一つ一つはシンプルなのだが、その組み合わせ方がとにかく抜群に上手い。わかってしまえばそれ以外には考えられない「意外な犯人」に、読書中、全く思い至れなかった事が今となっては逆に不思議。推理は勿論、活劇、恋愛、青春、人情、幻想と読み所も多く、大満足。2015/04/06
shiaruvy
2
コメントあとから [S60.10.25 初版]2015/05/04
Akiko Kobayashi
0
堪能~なんで絶版なんだろ2016/10/18
wm_09
0
息つく暇も与えないとはまさにこのこと。連続して起きる事件も、その解決も、テンポよくやってくれているので読みやすい。やたら出てくる回文名にもちゃんと理由があるのがいいところ。(清)2011/04/23