内容説明
上野公園に集まった人々は空を見あげて驚いた。一頭の馬が空に舞いあがったのだ！ 馬体には７つの風船がゆわえつけてある。それにしても馬一頭、空に舞いあがらせるとは何とすごい浮揚力だろう。風船にはどんなガスが詰められているのか？ そしてそれを発明したのは何者なのか？ やがて新聞紙上に次の実験を予告する広告が出た。“風船魔人”の次の実験とはいったい何なのか？ ほかに、全身黄金の謎の怪人を追う御子柴進と三津木俊助の活躍を描く『黄金魔人』を収録。傑作中編集。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
55
きゃははーっ、面白い。あり得ない話だけど軽～く読んで楽しめちゃう、そんな本かな。誘拐の話など少し怖い部分もあるが児童書にもなりそうなそんなお話「風船魔人・黄金魔人」の2編。イラストも可愛いし読書の息抜きに読むのがもってこいのそんな本。2016/12/27
のびすけ
26
三津木記者と御子柴少年コンビが活躍するジュベナイル作品。空飛ぶガスを使って空からの悪事を企む｢風船魔人｣。全身金ピカで若い女性ばかりを狙う変質者のような｢黄金魔人｣。どちらの怪人もわざわざ目立つようなことを繰り返して世間を無駄に騒がし、仕舞いには御子柴少年が怪人の車のトランクに忍び込んでアジトを突き止められ、悪巧みは失敗に終わる。どちらの怪人さんもどこか抜けていて、愛嬌がある。面白い2編でした。巻末に、横溝正史の思い出を語る座談会と少年少女作品リストが付いているのが嬉しい。昭和60年発行･初版。2021/06/19
Kouro-hou
11
横溝の角川を逆順に読もう企画その1。すなわち最終巻。通し番号が95で80まではジュブナイル巻である。少年探偵・御子柴くんが主人公の風船魔人と黄金魔人の2編を収録。小学五年生等に掲載されていた模様。「黄金魔人」は、全身金ぴかで黒マントの下は金パンツのみというスタイルで16歳の美少女を誘拐して回るド変態の話である。イロハ順の名前で誘拐するのだが、ローズ・蝋山はちょっと苦しいｗ 最終巻という事で、巻末には横溝夫人と息子の昔話対談や横溝のジュブナイルの掲載紙リストが収録されている資料巻という位置づけも有り。2014/02/01
カニック
7
横溝正史のジュヴナイル2編+家族の座談会などを収録。本格推理物と違って楽しく読めます。座談会では氏の変態的な部分も垣間見れて読み応え充分の内容でした。2021/08/14
ホームズ
6
分かりやすい展開(笑)江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」を読んでいるような感じで楽しめました(笑)『風船魔人』のほうは風船魔人との対決は面白いし三津木、御子柴君も苦戦してたのに結末が(笑)あっけなさ過ぎでしょう(笑)しかし横溝のジュブナイルいいですね(笑)由利先生の前ではワトスンなのに御子柴君相手では頼りになるな〜三津木記者(笑)2010/08/06
