内容説明
探険時代を経て地球から火星へ入植した際、人類は単純労働力および緊急時のたんぱく資源として、高度に進化したカンガルーを大量に送り込んでいた。が、カンガルーたちは徐々に自我を育み、人間たちよりはるかに火星の土地になじんできていたのだった。そして……地球におけるカンガルーの種類が全て滅んだとき、彼らは自ら正真正銘の火星人であることを名乗り、地球人への反攻を開始した! 火星を舞台に、雄大な宇宙観と構想により展開する日本SFの金字塔!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
17
SFマガジンで連載されてる時には次の月が待ち遠しかった作品。そして何度か読んでて好きな作品ではあったのだけれど久々にというか21世紀になって読むと結構荒っぽい構成にちょっと凹む。それはさておき、火星の荒野にカンガルー、スピリチュアルな所にガイア理論っぽい話と平井和正なんかもそうだったけど、あの頃の日本のSFらしい作品になってます(どういう表現だ)。2014/03/21
亮人
14
人類の火星入植において、労働力兼非常食料として連れて行った強化カンガルー。しかし、カンガルーたちは、自ら火星人を名乗って武装蜂起。人類VS火星人の泥沼の戦争がはじまる。人類がカンガルーのことをいつまでも獣や奴隷と侮って、どんどん劣勢になっていく様は、アメリカの黒人問題やベトナム戦争への投影が感じられて面白い。また主人公の境遇の変化もスリリング。ラストも、大きなテーマである火星の意思と絡めて、壮大で好きだった!2017/09/27
タケミチ
3
漫画『テラフォーマーズ』のカンガルー版みたいな。もちろんこっちの方が早いですが。火星に順応した遺伝子操作されたカンガルーと人間たちの戦争を描く。いろいろ詰め込んだ結果、細切れみたいになっちゃってますが、なかなか面白かったかな。星雲賞受賞作。2014/01/27
東森久利斗
2
3,500万頭。食用(年4回以上 14%)、セカンダリ的食糧、野性調達生産 100%、ドッグフード原料。オーストラリアのカンガルーの実態。火星ならどうなる? 大胆、奇想天外な仮説と検証、発想にもとづきフィクション化。ウーキー、ハット、クリンゴン、ガミラス、ダイナソー、犬、山椒魚、昆虫、ナメクジ、…、種は違えど、遺伝子レベルの抗うことのできない生存本能と生存競争は共通。終わりのない哀しい宿命、永遠のテーマ。動物愛護団体逆鱗間違いなし。2021/03/31
チルネコ
2
装丁写真がないのが残念だがものすごくリアルで毛むくなカンガルーがインパクト大だった^^。火星でのカンガルーVS人類を描いた話だが、中盤まではなかなかおもしろいハードSF。しかし、〔開く〕というのが出てきてから不信感が高まり、あれよあれよという間に説得力がないまま読了してしまった感じ。一番なえたのは登場する人間を滑稽に描きすぎだったとこかな(苦笑)2009/08/01
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