角川文庫 霧の夜にご用心

著者名：赤川次郎

KADOKAWA（2014/12発売）

• ISBN：9784041497227

内容説明

結局、霧が問題なのだ。霧の夜の殺人。――これこそが私の求める「理想的な殺人」なのだ。私こそが「切り裂きジャック」の名にふさわしい。私の名は平田正也。３６歳で天涯孤独の身の上だ。世俗的には平凡なサラリーマン生活を送っている一市民だ。だがその高邁な思想にもかかわらず、周辺に起る謎の連続殺人事件…。姿なき殺人鬼の正体は？　赤川次郎が新境地に挑む、ユーモア・サスペンス・ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[たか]

『切り裂きジャック』にあこがれる冴えない会社員が、殺人に踏み込もうとすると、何者かによって一歩先に殺人事件を起こされてしまう。 赤川次郎は『切り裂きジャック』など、皆によく知られた題材を使って捻りを入れるのが上手い。ユーモアがあり、ハッピーエンドで終わる安心感がある。Ｃ評価

2017/12/15

[sora]

平凡な会社員の非凡な空想。それが本当になるとは。それにしても、切り裂きジャックって、もっと恐ろしい男だったのに、なぜか恐ろしさは感じられず。そこが気持ちよく読める作者のいいところかも。気楽にあっさりと読めました。

2018/07/16

[星落秋風五丈原]

密かに"切り裂きジャック"に憧れる平凡なサラリーマン・平田正也。霧の夜、黒のコートに砥ぎ上げたナイフを忍ばせ街へ出た彼は、想いを寄せる同僚の一美を口汚くののしった会社の顧問・桜田をつけ狙う。ところが、標的は平田の目前で殺害され、犯人とおぼしき女の声で謎めいた電話が…。"ジャック"になり損ねた男の周辺に起こる連続殺人。本当の殺人鬼の正体とは。

1995/10/07

[くらげ@]

（☆☆☆）切り裂きジャックに憧れ霧の夜に殺人をもくろんでいたが、ねらっていた人物を先に殺されてしまった。その後次々に周りで事件が起きる。

2012/05/16

[蕭白]

さすが次郎さんって感じのユーモアミステリーでした。最近はこういう素敵な作品に出会えず、やや寂しいです。

2012/06/12