ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 試走

個数:1
紙書籍版価格
¥748
  • 電子書籍
  • Reader

ハヤカワ・ミステリ文庫
試走

  • ISBN:9784150707170

ファイル: /

内容説明

〔競馬シリーズ〕「おれは死ぬ……アリョシャだ……モスクワ……」英国王子の義弟と同性愛の噂のある騎手が、謎の言葉をのこして急死した。王室をまきこむスキャンダルか? 調査の依頼をうけた元騎手のランドル・ドルーは、オリンピックを目前にひかえたモスクワへ単身乗り込む。が、そこには巨大な陰謀が!/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

bookkeeper

27
★★★☆☆ 王族の依頼を受けた主人公が向かった先はソビエト連邦…鉄のカーテンの向こう側、盗聴器と監視の目の張り巡らされた異世界だった。  本心を明かさず、無表情で秘密主義の関係者達。それでもどこか殺伐とし切らないのは、主人公がソビエトの体制に敵対する意図が無くて、痛くも無い腹を探られているに過ぎないからか?極度の乱視や喘息というハンデの設定も今ひとつ緊迫感に結び付いていない様な気が。馬関連競技のつながりと実直な人柄で、少しずつ信頼関係を勝ち得ていく辺りは微笑ましい。頑張れフランシス。夜明けはもう近いよ!2019/10/28

本の蟲

16
有名翻訳ミステリ〈競馬シリーズ〉17作目。モスクワ五輪馬術競技出場を目指す青年ジョニィ。英国王室に連なる彼だが、ロシア人女性「アリョシャ」とのスキャンダルが噂される。主人公ランドルは王室からの依頼で「アリョシャ」の正体を確かめるべくモスクワに派遣されるが…。ロシア語が話せない主人公。盗聴に監視。移動の制限。五里霧中の捜査が非常にもどかしい。抑圧されつつ体制を受けいれているモスクワ市民。西側に所属しつつ共産主義に希望を持つシンパの存在が当時の世相を表している。主義や国が違えど、馬好き同士の連帯感が小気味いい2025/10/17

bapaksejahtera

13
主人公は富裕な牧場主で英国王室とも付合いのあるというシリーズでよくある配置。モスクワ五輪を控えた1978年の作品で、ソ連のアフガン侵攻の前だからボイコットの話はまだ無い。我が国にもソ連贔屓の知識人などウヨウヨ居た時代だからまだソ連も元気な頃。しかし作者はKGBの謀略に抗するホースマンなどという安易なプロットは取らない。抑圧と監視の暗い社会を見事に描きつつ、彼らを悪役に割り振らないのはうまい。ヨーロッパでなお記憶に新しいドイツ赤軍など一点突破全面展開の連中を背景に設える。だが矢張グルジア人は悪役なのだなあ。2022/02/22

ぺぱごじら

11
当時は『ソビエト連邦』と呼ばれたロシアが舞台だが、意図的に場所を『ロシア』政治体制を『ソビエト』と使い分けている辺りに、フランシスの気持ちがよく出ている。国民総諜報者の国でも『馬を介したネットワークは健在』というファンタジィ(笑)。敵が見えない中で闘う、一見期待し甲斐のない主人公、洒脱だが誠実な協力者、はいつものフランシス。核心の謎解きは専門外だがお見事。『美食を楽しむためにこの国へくる者はいないな、と私は思った。』気持ちは分かるがイギリス人が言って良い台詞ではない(笑)。2015-292015/02/28

NICK6

8
敵役の目的、性格、被った被害、既読のフランシスでは、割と直ぐに提示されるものが今回、弱い!あげくに当事者感覚も極端に、低い!指令に同意して現地に入っても(調査はしっかり始めるけれど)調査自体へのボヤキまで入るのでこっちも切実さが伝わってこないのだ。でも自分が明確に標的にされ始めた辺りから面白くなってくるものの、既に後半。否、否、間違い。私が好きなのはフランシス節。菊地光節。文句なんかありません。さて終幕。脳内刻印された人物図の相関矢印&図式が幻惑四重奏の調べと共に美しく崩壊線描く納得の快感が到来します 2024/11/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/450541
  • ご注意事項

最近チェックした商品