内容説明
「美しさは、人から指定されて感じるものではなくて、自分で、自分ひとりで、ふっと発見するものです」昭和8年から11年にかけて発表した作品15篇を集めたこの第一創作集を、作者は自分の生涯の唯一の遺著になる思いで「晩年」と名付けた。「私はこの本一冊を創るためにのみ生れた」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Wisteria
8
なかなかテンポに慣れず、最初は読み難さがあった。太宰の葛藤や迷いの心が感じられる作品ばかり。故に読むに苦しく進まない。才能に振り回されながら、搾り出しながら、結果ここから歩み出した太宰はやはり偉人かと。2015/08/31
あなた
5
「晩年」という短編ははいってない。これ、重要。ちなみに当時出版された「晩年」はペーパーナイフできりひらいて読む身体的読書行為を要請された。これも重要。しかも、大学ノートみたいにばかでかかったんだぜ。うん、重要。2009/07/07
黙劇
3
悲壮感。行き詰まったり、嫌な思い出と対面しなればならないような、そういう書けない小説を無理矢理書くつらさと痛さが生々しく描かれているように感じた。2014/03/01
さっさ
2
自意識が強くて、自分は大した人間だと信じたいんだけど、自信がなくて、小説を書いて自己表現したい反面、批判されのを恐れて言い訳してしまう…。端から見れば十分大した人なんだから、下手に言い訳しなければいいのに。誰もがこういう誇りと卑屈さにがんじがらめになりながら人の間で生きてると思う。2013/02/09
かざとかねひさ
2
僕の桜も、咲クヨウニ、咲クヨウニ(センター4日前)2011/01/11