内容説明
三十四歳の加世子に、人生のさまざまな風が吹きぬける。愛や苦痛をはらんだ、実にさまざまな風が――建築家の夫との別居、新しい恋、その恋人の海外赴任、自分自身の仕事への復帰、親友の自殺未遂、それに端を発した親友と夫の裏切りの発見、離婚――。今度こそ幸せをつかもうと、ひたむきに正直に生きる魅力的な女主人公の不安と嫉妬と心の緊張を、見事な風の情景描写で鮮やかに浮きぼりにした、話題の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ねむりねずみ
4
解説を読んで、加世子の性質が腑に落ちた気がした。自分と、重ねられてしまうのが、物語に簡単にたゆたえるという意味では快だけど、なぜ重ねられてしまうのか考えると不快である。こんな人生をおくらない自信はあるが、似ている部分がありそうで不快である。;各章のタイトルが、その章の印象的な場所の文章そのままなのが、よい。と思う。;駅に据え付けられた、自由に借りていっていい本棚的なところに、カバーもなく古ぼけてあったから、この本のイメージは、数十年前の古本なのに、一昔前くらいの近代的なようで微妙なモノレールの夜。2015/05/23
みい
0
kindle版にて。随分昔に読んだことを懐かしく思い出します。自分自身の生活がその頃と全く変わってしまったので、加世子と恭の自分勝手な生き方に反感を覚えますが、当時はこんな恋愛もおしゃれだと思っていた事を思い出しました。2019/01/06




