内容説明
大学で心理学を講じる公次のマンションヘ、深夜、思いもかけぬ訪問者があった。一年半前、彼を捨てて親友山根不二夫のもとへ走った悦子だった。外は雨だというのに、傘もささずに濡れそぼっている。そんな挙動不審の悦子に、公次は「きみは仲がこじれた山根を殺して、逃げてきたのだろう」と断じるのだが……。(「影の訪問者」)全篇を会話だけで構築した異色ミステリー六篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
32
期待が大きすぎたからなのか、思ったより普通だとは、思ったけど、出た当初は画期的だったのかなと思ったりしたが、普通に面白かった。2014/07/12
しろ
13
☆7 どんでん返しがテーマでかつ、会話オンリーの文体でのミステリ。会話のみだから、ページを繰るのは遅いけどサクサク読める印象。登場人物はほぼ二人きりなので、犯人は誰だ的などんでん返しはやりにくい分、あの手この手で捻ってくるのが面白い。2編読んで底が見えたかと思ったら3編目からまた違う魅力も見えてくる。車椅子探偵的な最後の話と、父と子の話、離婚のために妻を殺したい話が好きだった。語り口調が海外翻訳のようでマンネリも感じたが、知られざるとがったミステリっといった感じ。2013/09/04
ミサゴン
4
緊迫感のある、小説ならではの会話を堪能しました。久しくミステリーを読んでなかったんで、鮮やかなどんでん返しにも、うなってしまった、むぅ。2012/11/06
祐樹一依
3
【○】全編、会話のみで構成されたミステリ短編集。ということは舞台も登場人物も相当限定された設定でしか事件を描けない(事件のリアルタイムな描写に制限が大きく掛かる)。そしてタイトルが「どんでん返し」とくれば、読者はそりゃあ作者の企みには騙されるまいと目を皿のようにして「会話」に注目してしまうわけです。案の定というか、幾つかの話においては、「ああ、この先、こういう展開になるんだろうなあ」というのが読めてしまうものもありましたが、それでいてなお、読んでいて面白い構成の妙技。説明臭さを排そうとする努力の賜物。2012/03/21
こまちゃん
3
短編集だが、それぞれ味わいがあり、会話だけで成立さているストーリーてんかいといい、ツイストが利いていて、いい仕上がりになっている。2011/11/03
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