内容説明
九州落ちして印刷屋に勤めた笹井は、計画遂行のため主人の妻滋子を籠絡し、さらに二号の藤子を誘惑。陰謀に成功した彼は、滋子から大金を得、東京でエロ出版に手を出す。資金源の滋子が無一文になると非道にも第二の殺人を計画する。虚構に生きる男が、追跡者の執念にあえなく自滅してゆく過程を描く傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しも3
6
悪巧みが巧くいきそうになるが 次々 崩れていく様は引きつけられた 筆致が素晴らしい2024/08/27
y_e_d
4
大物も登場しないし、舞台があれこれと派手に移ることも無いのだが、読ませる、引き込ませる力が凄い作品だった。主人公・笹井のような欲に眩むダメ人間を描かせたら最強なのではないか。50年も経過する作品なのに、根本部分には一切時代を感じさせない。短く歯切れのよい筆致も秀逸で、途中で中断することができない。頭の中で策略を巡らす場面などは完全に劇場にどっぷり嵌る感覚になる。最後まで悪あがきをやめない笹井のキャラクターが強烈でした。2018/08/20
karin
4
昭和36年の作品。古い時代の背景に郷愁を感じつつ、いつもの松本清張ワールドに浸った。主人公笹井誠一が自分の野望を実現するために次々と犯罪を重ねる。巧みな人間描写、男女の性、腹黒い笹井の行動心理にぐいぐいはまっていった。殺人に至るところや犯行がばれそうになる展開はドキドキしながらページをめくった。やはり次も松本清張を読みたくなったのである。2012/02/16
ktuenriueyduaki
3
クズの主人公を書かせるとやはりうまい。その主人公が手を染めた犯罪と早苗によって追い詰められていく様を愉しんで読むのが吉です。2017/06/11
tamashi
3
前半と後半で主人公の立ち位置が完全に逆転してしまいましたね。それにしても早苗は怖いですね。主人公がもちろん犯罪者ではありますが、その事が脇に追いやられるくらい早苗は許せないというのが本音です。何れにせよ、昭和30年代という遠い過去に書かれたとは思えないほど見事なクライムノベルだと思います。今と比べて娯楽が限られていたであろう当時はたくさんの人がそれこそ貪るように読んでいたのでしょうね。娯楽作家としての側面を持つ清張の面目躍如といったところでしょうか。2014/05/01
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