内容説明
連作短編集。“ほら男爵”の異名をもつ男の直系、シュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵は育ちの良い32歳の独身男性。祖先の執念のせいか、旅に出かけると必ず奇妙な事件が待ちうけている。愛すべきわが男爵の前に出現するのは、人魚、宇宙人、ドラキュラ伯、ミイラ男、美女、魔女etc……。懐かしい童話の世界に現代人の夢と願望を託し、シニカルでユーモラスな新解釈で魅せる傑作冒険記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
61
レビュー中で、映画がオリジナルと書いている方がいましたが。ビュルガーによる書籍『ほらふき男爵の冒険』が元ですね。岩波文庫から出ています。2022/03/03
KAZOO
52
ほら男爵を星さんが換骨奪胎するとこのような話が出てくるのですね。連作短編、あるいは一つの長編とでも言っていいのでしょうが、さまざまな場所への旅行でいろいろな目にあいます。人魚、ドラキュラ、ミイラ男、なども出てきたりでアダルト向けの童話のような感じになっています。2014/12/12
たか
50
その昔、ミュンヒハウゼン男爵が活躍する『ほら吹き男爵の冒険』という映画があったが、本書はその映画を、SF作家の大御所が現代版にアレンジした作品である。 ほら男爵を先祖に持つ『シュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵』が、海や地底、砂漠やサハリに出掛ける冒険ファンタジー。 シニカルでユーモアに富み、ブラックジョークの中にも、重大なメッセージが込められているのは、星新一ならでは!昔懐かしいギャグが楽しい。本書は、風刺の効いた大人の童話と言える。C評価2019/08/15
しゅわ
50
勝手に星さん再読祭り第七弾。ショートショートがあまりにも有名な星さんですが、こんな長編…というより、連作短編集かな?…も書いてるんです!という感じの一冊です。“ほら男爵”を祖先にもつミュンヒハウゼン男爵が、サハリや海や、地下や砂漠を冒険する物語。テンポがよく、とてもよみやすいですが…ユーモアや風刺がたっぷり効いているのは さすが星さん!です。2014/12/03
Tetchy
41
星新一版ほら吹き男爵シリーズ!なかなか面白いです。2008/08/30