内容説明
作家でもある神経科のお医者さんが、フランス人の奥さんとの間に生れた三人の娘たち、ユキ・ミト・チカに贈る愛のプレゼント。幼な子たちのかわいい行状と、パパの昔の留学の思い出からヨーロッパ紀行と、数々の挿話の中に卓抜な文明批評が織り込まれている愛と機知とユーモアに溢れた楽しいエッセイ集。家族が変容しつつある現代にあって、見失われている父親の愛とはなにかを問い直し、こどもとの心の交流の偉大さに気付かせてくれる言葉のかずかず。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
neimu
36
こんな父親だったら良かったなと思ったことは1度や2度ではない。1度だけ、とある企画で農村体験をした時にご夫婦にお会いしたことがある。間近に老いた人を見て、憧れた「パパ」にしみじみした。数学が得意な娘のこと、私は苦手、フランスに留学した話、親として娘に伝えたいこと、この本を読んだ時の思い出。藁を打ち、草鞋を編んだ。「パパ」と共に過ごした時間は短い。書かれた言葉からあれこれ思う。共に過ごすことが殆どなかった自分の親は、自分をどのように見ていたのかと。どんな言葉を掛けたかったのだろうと。私も人の親になった。
愛沢 直樹
0
▶︎この本の内容は、著者の家庭生活2割に、海外での単身赴任による旅行記8割である。▶︎家庭生活の方は、奥さんや娘さんたちに対しどういう気持ちを持って接しているかが書かれていて面白かった。▶︎旅行記の方は、その国の人々の感覚が如何に日本人のそれと異なるかが主に焦点とされていた。2021/01/01