内容説明
佐藤紅緑――俳人・劇作家・小説家・児童文学者。「ああ玉杯に花うけて」(少年倶楽部連載)などの大衆的な少年少女小説を執筆し、短篇童話中心だった日本の児童文学に長篇小説の礎石をすえる――ひたむきな激情に生きた、明治の男、紅緑の波瀾の青春からその死までを娘の眼から赤裸々に描く感動の長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wasabi
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文学に造詣が深いことは、必ずしも人間性を高めるわけではなく、むしろ慢心を助長することに通じる。このことを改めて胸に刻みたい。2008/01/05
佐藤ゅ
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血脈を読んで、佐藤紅緑の魅力に取りつかれてから、どうして読みたかった1冊。娘愛子から見た父親像を織り混ぜながら、前半は若き紅緑の激情の日々を描き、後半は万里子に出会ってから亡くなるまでを描いているので、血脈とかぶっているが、執筆の年代がだいぶ離れているので、比べて読んでみると、また面白い🤗
ゴリゾウ
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大衆的な少年少女小説を執筆し、日本の児童文学に礎石を据えた佐藤紅禄の生涯を娘の眼から描く。「私が批判していた父の矛盾は、その・・単純さと正直さのためであったことを理解した。」(P12)#3291989/01/01