内容説明
「にんじん」――ルピック夫人は末の男の子をそう呼ぶ。髪の毛は赤く、顔はそばかすだらけだから。にんじんは、部屋の片隅にうずくまりながら、家族のために役立つ機会を待ちぶせしている。が、母親の口汚いののしりと邪険な態度が、そんな彼の気持ちを打ち砕く――。愛に飢え、愛を求めながら、母親のあまりの反応のなさに悩み傷つく少年の姿を生き生きと描き、読者の感涙を誘う不朽の名作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
61
有名な作品だけど、読んだことがなかった。今回ミュージカル鑑賞前に予習を兼ねてザクザクと流し読み。なんだか、歪んだ家族の不思議な物語だった。舞台でどう演じられるのか、楽しみ。2017/09/09
NAO
45
地元の児童書を読む会、10月課題本。家族から疎外され、体罰を受け続けた少年の物語。難しいのは、いじめられている少年の視点で書かれているため、本当に彼一人が疎外され体罰を受けていたのどうか、信頼性に欠けるところがあることだが、ルピック夫人の態度がかなり行き過ぎだというのは否定できない。にんじんは繊細で気が回りすぎるところがあり、小さい頃からはっきり言ってあまり子どもっぽくないようで、そういうところが母親から「かわいくない」と思われてしまったのだろうか。「子どもはみんなかわいく母親はみんな子どもにやさしい」と2015/10/14
LUNE MER
20
自分の感想をうまく言語化出来ない。読みながら思い出したのは、「Yの悲劇」に登場する少年ジャッキー。彼目線で日常を淡々と描いたとしたらこんな感じなのかもしれない。2022/10/19
ryo
13
この本は子供の頃に何回も読み返した本です。親戚の家に預けられていた当時、ゲームはもちろん漫画や本当に読みたい本も買ってもらえず、年上のいとこのお下がりとして与えられました。 でも、この本が私が読書にのめり込むことになったきっかけで、そういう意味では忘れられないストーリーです。当時の自分とにんじんを重ねてた部分があるのかもしれませんね。
shiman
11
岸田国土訳河出書房版で。児童向けに色々割愛されているらしく、どこからの目線で読めばいいか決めかねる。これは成人向けの原文に近いものを複数読まないといけないようだ。・・・課題図書を増やしてしまった。2021/07/17
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