講談社文庫<br> 聖書のなかの女性たち

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講談社文庫
聖書のなかの女性たち

  • 著者名:遠藤周作【著】
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • 講談社(2013/12発売)
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  • ISBN:9784061340213

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内容説明

血ぬられたキリストの顔を布で拭ったヴェロニカ、マグダラのマリア、大司祭長カヤパの女中、ヨハネの首を得たサロメ、良妻賢母型のマルタ、ローマ総督ピラトの妻等、聖書のなかから11人の女性を選び、“苦しみの連帯感”ともいうべき人間論を展開。遠藤文学の基調音を奏でた、感動を呼ぶエッセイ。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jam

92
忘れられない人がいる。医師であった彼女は、病により職を辞した。志半ばの彼女を支えたのは信仰であり、それにより人が高みを生き得ることの事実は、私に少なくない影響を与えた。私には宗教上の信仰はないが、その本質を今も深く考える。著者の作品に通底する命題は信仰であるが、この作品は随筆という形で、イスラエルへの旅や、聖書に登場する女性たちが綴られ、茨の道を行く女性に寄り添うイエスの姿には作者の信仰の在り方が投影される。そして私は、彼女に会いたくなると面影を求めて、ただひとりの人のため、祈りを捧げながらこの本を読む。2017/05/12

青蓮

89
読友さんのお勧めから。聖書に登場する幾人かの女性たちのエピソードを紹介したエッセイ。婦人雑誌に掲載されたということもあり、とても読みやすくキリスト教や聖書の知識がなくても、充分楽しめる作品でした。私はキリストの信仰は持っていないけれど、ここに登場する彼女たちが抱える苦悩や悲しみに寄り添うとするイエスの姿に心打たれるものがありました。後半の「秋の日記」も面白く読みました。著者の優しい眼差しを感じる1冊。遠藤周作の作品はこれからも色々読んでみたい。2017/01/28

naoっぴ

75
聖書に出てくる女性たちの寓話を優しい語り口と小説家らしい肉づけを加え解説したエッセイ。まるで遠藤周作さんの講義を聞いているようで親しみやすく、聖書のことはあまり知らず読みましたがとても心染み入る内容でした。ここに登場する女性たちは今もいるような人ばかり。それどころか、もしかしたらこれは私の中にも存在するかもしれないと思わせられることも多く、何度も内省しながら読みました。こうして読んでみると、どのような宗教でも道筋は違えど目指しているところは同じなのではないかと感じます。次は仏教の本を読んでみよう。2018/01/06

かおりんご

40
前半は、聖書のなかで絵がかかれている女性たちについて、遠藤周作の視点で解説されていましたが、後半は単なるエッセイにような。もちろん、カトリック教徒としての立場で書かれていましたが。マルタ、マグダラのマリア、サロメ、聖母マリアなど、聖書には軽くしか触れられていないのに、遠藤に解説させるとこんなにも悩み苦しんだ人としての姿が現れるもんなんですね。面白かったです。聖書への見方が変わります。2016/11/20

豆ぽち

32
私はクリスチャンではない。が、イエスが娼婦や貧しい病人の心に寄り添おうとする姿に愛や希望を感じた。人間の美徳とは、人間の生まれ持った苦悩と悲しみの結晶なんだと思う。立派に生きられない弱い私を受け入れる強さこそが人間らしい美しさだと思う。弱くても、みっともなくても生きてちゃいけない人なんていないんだよ、と遠藤氏が言っている気がした。2016/12/21

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