文春文庫<br> 48億の妄想

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文春文庫
48億の妄想

  • 著者名:筒井康隆
  • 価格 ¥478(本体¥435)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
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  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167181017
  • NDC分類:913.6

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内容説明

鬼才・筒井康隆が31歳で執筆した画期的な処女長篇小説。テレビが絶対の時代だ。街中いたるところに設置されたカメラ、テレビ・アイを意識して、自分をカッコよく見せるため、テレビ画面にちらりとでも映るため、あらゆる人間がドラマを演じるように振舞いつづける社会。この地球上に住む48億の人間のうち、いったい正気なのは誰か……テレビに踊らされる人間たちを描いて、マスコミを痛烈に諷刺するこの小説は、まるで21世紀日本への予言のようだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

84
この作品が50年前に書かれた作品であることに驚かされます。自分が他人にどう見られるのかセルフプロデュースするのは今も昔も変わらないのですね。テレビかネットかの違いはあれど、やっていることは同じだということに恐ろしさを感じます。虚構が現実を蝕んでいるのが今の時代だとしたら、この小説の先見はただ凄いとしか言えません。メタフィクションとして描かれた世界が現実になっているのに何とも言えない薄ら寒さを感じました。2015/11/09

GaGa

58
昨今のご時世を考え、再読。すごいねえ、筒井康隆は。テレビカメラによる総監視社会をテレビに映りたい(映っている)という欲望が優先する社会として描いていることがすごい。ラストの怒涛の展開も正直、今現在現実に起きても驚かないぐらいリアリティがある(ただし、この小説と同じようなことをやりそうなのは韓国側。俳優が泳いで竹島渡ったりしているし)そうして考えると、まさに未来を予見した大傑作だと思います。2012/08/25

メタボン

37
☆☆☆☆ 50年以上前に書かれたとは到底思えないほどリアルで先見性がある作品。作品舞台をテレビからユーチューブに変えれば、全く現代にも当てはまる。その風刺性と、最終章の海戦の疾走感ある描写は、流石筒井康隆と唸らせる。2021/05/10

saga

36
【再読】筒井作品は高校生の頃にはまり込んで読んだ。第一部でマスコミ、特にテレビに踊らされている送受信双方の人間模様がシニカルに書かれている。昭和51(1976)年に設定された本作品は、その10年前の1965年に出版された。近未来を描いたものだが、21世紀に生きる我々の目から見ても笑うに笑えない部分がある。そして第二部の韓国と日本の海戦で、TVで見たフィクションとしての戦争と現実の戦争がいかに乖離しているかを通して、TVの虚構性を浮き彫りにしている。高校生だった自分よ、果たして理解して読んでいたのか?2016/09/10

たぬ

24
☆4 筒井氏26冊目。初めての長編ということで興味を惹かれ手に取ってみた。常にテレビ映りを意識した行動、悪い日韓関係。テレビをSNSに変えれば今でも通じるかも。プロローグからして一家団欒→スプラッタで「当時からさすが!」となぜか嬉しくなる私。展開はぶっちゃけ滅茶苦茶なんだけど読むのをやめられない。今から半世紀以上前にこれだけのものを書くとはね。鬼才おそるべし。2020/10/19

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