内容説明
人生最大、スーパー〈躁〉状態に突入したわれらが《どくとるマンボウ氏》の高揚する偉大な言動にふりまわされる《マンボウ夫人》をお供に、規律厳正な《阿川弘之海軍大尉ドノ》と決行したテンヤワンヤの西洋膝栗毛の世にもおかしな特別読物。他に懐かしの南洋諸島再訪記『マンボウ南太平洋をゆく』を併録。国境を超えて発揮される、奇妙奇天烈、ときに意地悪、手間がかかってわがまま放題の突飛さに、知らず知らずに巻き込まれる周囲の人間たちとの愉快な交流。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かずら
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躁うつ病(現在の双極性障害)を抱えて生きた作家の旅エッセイ。最近の双極性障害治療では、躁のときはできるだけ気持ちを抑えこんで大人しく過ごすのが定石。しかしそんなことはおかまいなしに海外に飛び出してしまうのは、時代が違うからなんでしょうね。30年以上前のエッセイですが文章が非常に読みやすく、題材も共感できるもので逆に驚きました。家族や伴侶と旅先で喧嘩する(しかもその喧嘩の原因がすごくくだらないこと)は旅行する人なら一度は経験することですよね。乗り物オタクの阿川さんもこういう人昔からいるんだな……としみじみ。2015/04/13