内容説明
中国隋代に樹立し、最澄によって伝えられた天台思想が大乗経典で釈迦の正説と仰がれ、中核になった歴史過程を明らかにする。信仰対象として、人生の指針として、政治の理念として信奉した高山樗牛、宮沢賢治、尾崎秀実、北一輝などが形成した思想の系譜も辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
10
再読なのは間違いないが、さて、いつ読んだっけ。中高生のころだったかもしれない▲天台本覚思想ということばをひさしぶりに思い出した、2025/06/15
らい
7
法華経の内容に踏み込むというよりは、成立過程や時代背景、またその評価や影響といったところに主眼があった。確かに初め、法華経を一読しただけの時は、法華経は法華経の讃嘆しかないという批判もわかるような気がしたが、少し踏み込んでみた今は全く違うように感じる。法華経だけでなく、仏教が日本の学問や思索の中心にあったのは、それだけの哲学と実践があったからなんだなとしみじみ思う。しかし、歯止めの効かない熱狂や、自虐的な内省といった歴史的な流れもあったようで、純に、静かに心に収まるにはそれなりの過程が要りそうだ。2022/06/29
Tomoichi
6
天台智顗によって打ち立てられた思想体系としての法華経、最澄や日蓮または道元などにも影響を与えた大乗経典としての法華経の思想面や歴史的展開を宗派的でなく中立に解説。また歴史に影響を与えた日蓮主義を法華一揆や北一輝・宮沢賢治らをとおして説明。どの宗派に肩入れしない中立公平な解説は、大変好感が持てました。2015/02/08
脳疣沼
5
法華経についての本ではあるが、仏教全般に関しての良い入門書ともなっている。仏教のニヒリズムは個人的に嫌なものだったが、ニヒリズムに落ち込まない解釈がある(まさに法華経がそうだが)ことを知り、仏教に興味が出てきた。法華経自体は以前に通して読んだことがあるが、あまり感激しなかった記憶がある。本書を読んで再読したくなった。2017/06/02
masanari
2
冒頭の戦地体験とボロボロに読み込んだ『法華経』という淡々とした記述が1番面白かった。多くの仲間が死に、自らも死と隣り合わせの状態で繰り返し読んだ『法華経』と僕の読みとは次元が違う。 打って変わって内容は教科書的な入門書だったのが残念。法華経の構成も長くタイトルが羅列されるので、ある程度馴染みがないと退屈に感じるだろう。ともあれ法華経の成立史を概観するのにはわかりやすいし、いい本だろう。2020/09/06




