内容説明
早春の肌寒い黄昏時、五井は墓地の隅で泣いている一人の美しい娘に気がついた。不審に思った彼がその娘に近づこうとした時、突然、低い、威嚇するような男の声が聞こえてきた。木の間がくれにみえるその男は、白い袷のうえに墨染の衣をまとい、片足が不自然にまがっていた……。古ぼけた一冊の書物が秘める事件の謎とは? 横溝文学の原点をたどる初期短編集第2弾! ペルシャ猫を抱く女/詰将棋/双生児は踊る/薔薇より薊へ/百面相芸人/泣虫小僧/建築家の死/を収録。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
205
★☆☆☆☆ 横溝作品の中ではかなりハズレの部類に当たる作品が収録された短編集だと思う。 強いていえば『双生児は踊る』は『双生児は囁く』でも探偵役を務めた夏彦と冬彦の兄弟が活躍する話で、本作の中では1番マシだったと思う。 まぁ横溝作品であれば他にいくらでも面白いものかあるのだから、本作をあえて読む必要はないだろう。2020/05/13
ホームズ
5
ブックオフで綺麗な状態のが100円だったので購入再読(笑)ノンシリーズの短編集。どれも他の短編で読んだことがあるものって感じがしましたね(笑)『双生児は踊る』『百面相芸人』が面白かったですね(笑)全体的に展開は分かりやすかったけど楽しめました(笑)2010/02/23
ホームズ
3
『ペルシャ猫をだく女』は『支那扇の女』の原型って感じでしたね。わかりやすくってよかった(笑)『双生児は踊る』『百面相芸人』には等々力警部が登場。こういうノンシリーズの短編集の中に知ってるキャラクターが登場してくれるのはいいですね(笑う)2009/04/02
ぞるば
2
電子版。あんまりおどろおどろしくなくてあっさり読めました。若干デジャブ感はありますが、短い中で話がしっかり展開して終わり、面白かったです。最後の話はびっくりした笑2016/01/05
てまり
2
本格推理ってのとはちょっと違うけど、意表をつく話作りがうまい。短編で登場人物が少ないので余計それがよくわかる。2011/06/28