内容説明
一九三九年イギリスは開戦し、パイロットを志願したその若者は、訓練中アフリカの高原に不時着した。彼はそこに住む老人から長く不思議な身上話をきくことになったが……上記の悪夢のような物語「アフリカ物語」を始め、エピソード風に綴る10の飛行機乗りの話。狂気と恐怖に彩られた処女短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
38
『ある老人の死』うわーこれラストめちゃくちゃこわいじゃないですか。『番犬に注意』さりげない会話から真実につきあたる兵士。老人の復讐譚のようでもありミルクを飲みに来る相手が可愛くもあり?『アフリカの物語』普段は優しい老婆やあどけない子供までもが戦争に毒されていく『カティーナ』『昨日は美しかった』昨日とはもっと広い意味の過去を指す。2016/08/31
さぼ
24
スラスラ読めるものと進みが遅くなったものと両極端で読了まで時間がかかったが、臨場感が半端じゃない。作者が第二次世界大戦時に戦果をあげたパイロットだったというだけあり、特に飛行機と空の描写については秀逸。他の方の感想を拝見すると宮崎駿監督も影響を受けているとのことで、なるほどなと思った。紅の豚や風立ちぬのラストシーンの世界観がまさにという感じ(たしか「彼らは年を取らない」)「カティーナ」の終盤は鳥肌が立つ程素晴らしく、自分は生涯記憶に残る短編になると思ったので、文句なしにおすすめしたい。2020/04/20
シャル
14
様々な飛行士たちの、どこか幻想的な話の短編集。ダール自身の聞いた話を元にしていることもあって、話の軸となるのはイギリス本土の飛行士たちよりもギリシアやアフリカなどの地で戦う飛行士たちとなっており、その異国情緒や旅人的、居候的感覚も、話のふわふわとした雰囲気を強めているのかもしれない。飛行機の天国への道の雰囲気が恐ろしくも美しい『彼らは年をとらない』と、墜落したパイロットが収容された病院の秘密が印象的な『番犬に注意』、そしてパイロットの心理状態の闇のようにも思える『あなたに似た人』が好きな話かな。2016/06/29
藤月はな(灯れ松明の火)
14
クスリとユーモアが効いた会話に笑わされるのに結末やその端々の会話の意味に背筋がゾクリとしたり、哀しくなったりするのがロアルド・ダールお得意の世界観なのでしょうね。そんな世界観が後世の作品に活かされているのがくすぐったいです^^私がロアルド・ダールの作品に抱く印象はピリリと効いたジンジャークッキーです。2012/03/14
Cinejazz
12
この短編集を読みながら、作品の評価 (解説:阿刀田 高氏)のほどが気になった…。な―るほどねー。ダールの「奇妙な味」が醸しだされる以前の短編集であったな―、と頷きながら読み終えた。2017/12/16
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