内容説明
つねに前衛的な表現を追求する安部氏と、日本文学研究の第一人者キーン氏が、小説・劇・音楽などを論じて現代文化の本質に迫る、示唆に満ちた対談。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺんぐぃん
2
安部公房氏と最大の理解者D・キーン氏の対談。日本人論から始まり、演劇、歌舞伎、文楽、映画やオペラ等多岐に渡る話題は刺激的。「オイディプス王」「リア王」「三文オペラ」「曽根崎心中」「ゴドーを待ちながら」など金字塔ともいえる作品が取り上げられていて、次は何が飛び出すののか、読んでいてワクワクさせられた。それにしてもキーン氏の博識ぶりには舌を巻く。文学だけでなく、映画、オペラ、舞台等、洋の東西を問わず幅広く体験しておられた。1973年発行とは思えない、瑞々しい二人のやり取りは、タイムカプセルを思わせた。 2021/05/04
うろたんし
0
思っていたよりもずっと文学について論じられていて面白かった。ずっとずっと昔に、アリストテレスが書いたことを今、僕たちは追体験しているんだなあ。古代ギリシャの建物に、「近頃の若者はなっとらん」って書かれていたという有名な話は嘘らしいけど、それでも人は人としておなじように喜び悲しみ生きているんですね。2013/04/15
