内容説明
「1999年7月、空から降ってくる恐怖の大王によって、世界は滅亡する!」 地球と人類の未来を恐るべき正確さで予見した16世紀フランスの怪人ノストラダムス。その中でも究極の滅亡大予言をテーマにした本書は、1973(昭和48)年に刊行されるやたちまち話題を独占、空前の大ミリオンセラーとなった。40年の時を経て、今あらたに著者・五島勉の「まえがき」「あとがき」(特別書下ろし)が加えられ、ここに電子版として復刊!21世紀に生きる人類にとって、さらなる戦慄の事実が明らかに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
67
あまりに有名な1999年7月の種本。電子書籍で増補された部分があるけど、そちらはあの予言は本当は2001年のテロを予言したものだったんだよ。なんだってー‼という内容でした。今回初めて読むのだけど、まずは読み物として面白い。冒頭のノストラダムスが原発の幻影を見たとか胡散臭さ満載でいい味出してるし、全身が腐り果てて死んだというのも実に筆が乗っている。さらには当時切実な問題だった環境汚染や核戦争を予言に結び付け読者の恐怖を煽る手腕も大したものである。社会現象、ベストセラーにはなるだけの理由があるんだなあ。2025/07/10
ころこ
37
400年前の文書を読むということと、浅く射程のない歴史観と文明観のアンバランスが否応なく目立ちます。でたらめな解釈を批判するよりも、著者が大衆のひとりとして73年当時の大衆の欲望が何に向かっていたのかを代表していたと読むべきでしょう。オウム事件の背景となったハルマゲドン思想なのは言うまでもありませんが、冷戦構造化の抑圧と資本主義の濫費が贖罪意識を増幅させて、大気汚染や水質汚染により人類が滅亡すという恐怖は、なぜ当時は多かれ少なかれ誰もが持っていたのか今一度考えてみたい問題です。2020/07/22
pino
17
公園のかたすみで、友達と回し読みした記憶が。「えー30ん才でみんな死ぬとー」 みんなで仲良く絶望のどん底に落ちました。こんなに強烈なトンデモ本にその後、出会っていません。2012/03/10
井川浩
12
小学生の時に図書室で奪い合うように読んでいたものです。ふと思いたち取り寄せて読んでみました。1999年7の月には幸いなことに何も生じなかったですが、果たして今後もそうなのか・・・依然ノストラダムスは自分にとっても興味深い人物です😐2024/12/29
臓物ちゃん
9
いや環境汚染やカーキチ族を予言するんだったら先にまず産業革命を予言しろよ!とかツッコミどころが満載なのにそれを捻じ伏せるだけのハッタリ力が凄すぎて昭和を揺るがす大ベストセラーにまでのし上がった一冊。田中角栄が三平汁を飲むのだって……ノストラダムスは予言していたのだ!そんなメチャクチャな内容なのに構成力が抜群だから読んでてどんどん引き込まれる。恐怖の大王に蹂躪され人類がグチャグチャになる世紀末の地獄絵図に読者がモウ嫌だよーッ!と思った次の瞬間にふっと現れる16世紀フランスの美しい庭園……これには唸ったぜ。2022/01/07