内容説明
あたしには二人の変な友人がいる。何かというとすぐに自分の葬式を出す、死に癖のある緑子がその一人。もう一人の汀子は秀才ではあるが、考えることはまったく訳がわからない人間だ。もっとも、あたしにしても普通の高校生とはいいがたい。この三人がそれぞれに恋をした。そして、緑子はその美貌にもかかわらず失恋し、汀子は相手の男性と旅行に出かけ、あたしもやっぱり片恋のままに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅわ
7
氷室冴子さん勝手に再読祭り!の第四弾。何かあると自分のお葬式をしちゃう美人の緑子、秀才だけど何を考えているか?わからない汀子、そして夜中に壁を見つめる自分に厳しい多佳子…ちょっと変わった三人組が、それぞれ勝手に恋をして、悩んで…今読むとちょっと恥ずかしいぐらいの青春ストーリーです。いわゆる“親友”でベッタリくっついて同じ行動をするというわけではなく、独立独歩で勝手にやっているようで、それでもお互いを思いやっている三人の距離感がイイですね。 2013/01/03
AZ
6
突然読みたくなって20年ぶりくらいの再読。中二病全開!と言えなくもないのですが、氷室先生の力量ゆえと氷室先生自身の高校生活がベースになっているせいか、キャラクターたちが地に足がついている、という感じで妙な説得力があり、思わず感銘を受けてしまいました。映画も斉藤由貴がはまっていて、原作の雰囲気を生かしたよい作品でした。しかし、当時25歳のギバちゃんを男子高校生にキャスティングしたことは意味不明。 氷室先生の新作がもう読めないことは本当に残念でしかたありません。2013/11/17
patapon
5
久しぶりの再読。凝視る(みつめる)ということは孤独なこと、という多佳子さんの考え、今でも思い出す。今読み返すとなんだかみんな愛しい。2014/01/01
KAE☆
5
再読。小学生の時に映画の方も見てはいたのですが、やはり原作本の方が好きです。始めて読んだときは高校生ってこんなのかな…と憧れましたが、現実はそうはいかず。今読むと、高校生特有の自意識過剰とか、少し懐かしく、また微笑ましいです。2012/06/07
Naomi
4
中学校の頃に読んで衝撃を受けた本。多佳子たちの硬派っぷりに傾倒し,百回は読み返したと思う。多佳子は私の永遠の憧れ。私がいまだに煙草にちょっぴり憧れているのも,彼女のセリフ「やりますよ,酒も煙草も」に影響を受けているのかもしれない。いわゆる「青春ラブストーリー」にはずいぶん接してきたが,私の究極の一冊はあだち充でも生徒諸君でもなく,断トツにこれです。2014/11/10