内容説明
新進画家の旭昭寛が画商桑名を自ら手をくださず、完全犯罪で消そうと決意したのは、そうしなければ彼自身が画壇から抹殺されるからだった。そこで考えたのが“将棋だおし殺人”だった。30億の遺産をめぐる骨肉の争い、次期社長の椅子を狙って対立する2人の副社長……世の中には人を殺したがっている者がいるものだ。完全犯罪はまさに完壁に成功したかに思えたが、実は意外にも……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
不見木 叫
14
斎藤栄さん初読了。画商に恨みを抱く画家が目論む『将棋倒し殺人』。前半は犯人の殺人計画が書かれ、後半からは捜査員側から事件が解体されてゆく倒叙ミステリ形式。キーワードから徐々に真相に肉薄してゆく展開はスリリング。2024/06/06
お笑いループシュート
0
「将棋倒し殺人」の着想はユニークだけど、「そもそもそんな上手くいくか?」「殺人以外に解決方法なかったんかい!」と野暮なツッコミを入れたくなるけど、それも含めて作者の意図なのだろう。 人物の配列を見ると犯人のメドは概ねついてしまうが、そのプロセスはスリリングである。 2021/08/20
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