内容説明
東京は新宿に近い花柳界・弁天池。主人公の芸者てまりは底ぬけに明るいお人好し。そのうえ男まさりのしっかり者で、だれの世話にもならず、自分で汗を流して働ける商売をと、芸者稼業のかたわら、ライトバンを改造して味噌汁屋を始めた。花柳界でけなげに生きるてまりとそれをとりまく下積みの人々との心のふれ合い。それは人情の機微を写すに得意な著者独自の世界でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tera。
25
美味しいものをいただくのに掛ける一手間を惜しみがちだけど、それじゃあダメなんだと反省する事頻り。身の回りをキチンと整えて、始末して生きて行かないと・・。初版が1979年とあるので、35年前のお話だけど今も昔も大事なことはあんまり変わっていないという事なのかな。2014/02/25
Kento Isikumada
6
1979年の小説。直木賞作家。こんなうまい味噌汁はじめてだ と言わしめる芸者のてまり。プライドを持って働く姿と揺れる姿。様々な立場や生き方。2015/05/26
sun
6
美味しい味噌汁をつくる芸者のスカッとしてほんわかする話。テレビドラマになったらしい。私のおふくろの味は味噌汁。なつかしい。2013/11/30
ふみえ
5
これは面白い。職業に貴賤はないと言うが、芸者は結婚になると蔑まされる。私も登場するいけ好かない女たちと同じ反応をするだろうな。てまり姐さんの見栄と悲哀、格好良すぎる。それにしても男という奴はどいつもこいつも…。味噌汁の使い方に唸らせられる。2014/08/19
りかさん
5
すごく粋で丁寧な女の人で、心がなんか凛としました。。。2014/06/04