内容説明
王朝の夜は、一寸先も見えない漆黒の闇だった。その闇の中を、鬼は、御所の内に、橋のたもとに、北山に、時に天空を翔り、彼岸・此岸をも自在に往来し、わが物顔に徘徊した――。若く美しい人間の女房をもてあました、中年のユーモラスな鬼、当代随一の歌よみに挑んだ芸術鬼など、さまざまな鬼の姿を軽妙洒脱な語り口で描く、鬼ものがたり六話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
53
面白かったです。古典から鬼にまつわる話が紹介されていました。古典文学に長けているおせいさんだからこそのユーモアあり、しんみりするものありと話もバラエティに飛んでいて興味深かったですし、読み応えもあります。おせいさんの手に掛かると古典も愛嬌と茶目っ気のある話になるのですね。気楽に楽しめる1冊でした。2026/06/22
Kira
14
電子。『今昔物語』などの説話集からのエピソードを交えて、さまざまな鬼の姿を描いた六篇。軽妙な語り口で楽しませてもらった。2026/06/01
あさらん
7
『うた恋い。』や『鬼灯の冷徹』に出てきた小野篁が気になり、篁とできればその異母妹が出てくる作品がないかと探して、見つけました!半分エッセイ半分物語のような、鬼をテーマとする話が6編。うち目的のが『水に溶ける鬼』。勉強を教えるうちに異母妹と密かに結ばれるが母親にバレて、そののち異母妹は死んでしまうが、幽霊となって戻ってくる。幽霊妻にびびるどころかほんわか普通に過ごしていく篁!幽霊妻は産まれてこなかった子が転生して産まれくるからと、篁に生きている妻を持つように勧める。勧めておきながらちょっと嫉妬してかわいい。2014/09/23
marino
1
再読。平安時代の鬼にまつわる説話や故事を田辺流に紹介。平安文学に造詣の深い作者だけあってユーモラスなものありしんみりするものあり読みごたえがあった。小野篁と妹のエピソードが印象的。花山天皇が藤原道隆、道兼、道長三兄弟に肝試しを命ずるエピソードは今年の大河ドラマのキャストで脳内再生しました。こういうのが再読の醍醐味。2024/03/14
まおー
1
エッセイと小説の中間みたいな1冊。古典の現代語訳だけど、田辺聖子の感性がにじみ出てて良い感じ。平安時代の高貴な人たちの心を垣間見る一冊かな。2008/12/15
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