内容説明
“はしりかね”とは、海に働く男たちの相手をした女たちの呼び名。三重県磯部町の的矢が帆船の停泊地として栄えていた頃の話だ。福島の奥会津、喜多方では嫁は貴重な労働力くだった。出産で休むと、家全体が村から孤立する。女たちは、自分で堕胎することも。日本各地に取材、土地の老婆たちの昔語りを収集した、昭和初頭に生きた女たちの歴史譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
1
渡鹿野島の対岸の的矢にもいた海の娼婦はしりかね、新潟の山姥伝承、奥能登の女郎、高知の紙漉き、労働力として出産が許されず自ら子を闇送りにする会津の陋習、日本各地に伝わる惟喬親王を祖とする木地師の伝承など、主に昭和以前の日本各地の鄙における女たちの哀しみを、現地の古老の語り口そのままに綴る土俗的ルポ。モノとして売り買いされ、嫁入りもその延長であった女性たちの抑圧された暮らしを描くが、朴訥とした語り口がかえって悲惨さを増している。会津では嫁が自ら鬼灯の根を挿れて堕胎をしていたという話がとくにやるせない。2025/07/31
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