内容説明
『みんなで見たこどものえ』は、ガザの子供たちが描いた作品を通じて始まった心の交流を描いた1冊です。ガザ地区での過酷な状況を逃れてエジプトに避難している子供たちの絵が、ある日渋谷区の子供たちのもとに届きます。届けたのは絵を通じて子供たちの心のケアを続けているミツキさん。その作品を見た一人の母親(著者)が、イラストレーターのアミイゴさんや学校の先生たちと協力し、富谷小学校の子供たちに絵を見てもらう場を作ります。子供たちが見たのは、テレビのニュースでは決して感じることができない生々しい感情と状況。「ガザの子どもたちは、『自由に』って言われて絵を描いたんだって。」渋谷区の子供たちはアミイゴさんと対話し、ひとりひとり感じたことを絵に表現することに挑戦します。「感じたことを1本の線で表現してみよう」そうして生まれた構図に今度は「自分の好きな色だけで気持ちよく塗ってみよう。」アミイゴさんの言葉に、子供たちは自分なりの「自由」を目指し、絵を描きました。ガザの子供たちが見た景色や感じたこと、そして日本の子供たちが絵を通じて感じ取った平和への願い。『みんなで見たこどものえ』は、異なる環境で生きる子供たちの心の架け橋となった絵の力を伝える、希望の物語です。
著者等紹介
菊池志帆[キクチシホ]
アートディレクター・監督・デザイナー。神奈川県生まれ。2001年武蔵野美術大学卒業後、2009年ロンドンでネンデザインを発足。広告やブランディングを中心に活動。二人の息子の誕生と子育てを機に、2012年以降、日常の気付きや発見を未来につなぐ創作へと、活動を広げていく。『みんなで見た こどものえ』(羅針舎)が絵本作家デビュー作
小池アミイゴ[コイケアミイゴ]
イラストレーター・画家。長澤節主催のセツモードセミナーで絵と生き方を学ぶ。1988年フリーのイラストレーターとして活動開始。併せてクラブDJとしてイベント制作、若いアーティストに表現の場を提供。2000年以降日本各地のローカルコミュニティとコラボし、イベントや展覧会を行う。東日本大震災後の東北をフィールドワークし作品を制作、個展「東日本」を8回開催。現在渋谷区の子供たちの探究的学びをサポート。2019年に台湾を取材し『台湾客家スケッチブック』上梓。著書に絵本『はるのひ』(日本絵本大賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。