感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かつおさん
14
自叙伝故のナマ牧野を堪能。牧野という人物がただ直向きに草木を愛した無欲の学者でなく矢田部教授に向けた激情や海外に自分の研究を誇りたいといった人間くさい感情を持っていた事を知り少しホッとした。妻の壽衛さんなしに植物学者 牧野富太郎は成立し得なかったが、一方で牧野の一途さが育んだ”稀代の人たらし”さも彼を救ったのだと思う。「赭鞭一撻」は、植物学のみならず一般のビジネスにも通じる話。植物が人間生活や生存そのものにとても大切であることを皆が知ることの大切さ、植物愛と人間愛についての話なども心に残った。偉人なり。2023/10/15
Galilei
2
富太郎は土佐の「いごっそう」、一つにとことんのめり込み、出世や上司に目もくれずまっしぐら。本編で著者は高齢にも負けず押し通しています。朝ドラもこの演出が上手で盛り上がります。▽出身地の佐川町には余り有名ではないですが、中学を出ただけでアメリカに渡って天文学を学び、帰国後は地球の緯度観測の傍ら、日本で初めて彗星を発見した異色の天文学者・山崎正光氏(1886~1959)がいました。渡米後職を転々とした後、縁あって世界最先端の米国天文台と大学でトップの学者に学びました。出世を望まず自我を通したいごっそうです。
口先男爵
0
まことに残念に感ずることは、私のような学風と、また私のような天才とは、私の死とともに消滅して、ふたたび同じ型の人を得ることは恐らくできないということです。2023/09/30
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