内容説明
昭和期に活動していた謎多き口語自由律の歌人、小関茂。生前に遺した、不思議な魅力を放つふたつの歌集をひとつにまとめて復刻。
目次
小関茂歌集2(橋;秋;くもり日;碍子の列;早春の自然 ほか)
小関茂歌集3(墜落;谷間;豚妻愚夫;春のころ;夏の偶話 ほか)
著者等紹介
小関茂[コセキシゲル]
1908年2月12日、北海道旭川生まれ。1923年に上京し、職を転々とする。1929年「詩歌」に入り前田夕暮に師事。1931年に東京電機学校卒業。戦後は「人民短歌(新日本歌人)」や「地中海」の創刊に参加した。1972年7月11日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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内藤銀ねず
17
まさか小関茂(こせき/しげる)の歌集が21世紀に書籍化されるとは思ってなかった。しかも東直子さんと町田康さんが栞文を献じている。小関茂は明治末期に生まれた口語自由律歌人。前田夕暮が口語自由律を詠んでいた頃の門下で、他の門人が前田夕暮の文語回帰に従ったのに死ぬまで口語自由律をやめなかった変人。その変人ぶりが21世紀の読者にも耐えられる作品を生み出したのだから、変人さまさまである(ほめています)。ただできれば…令和の時代らしく電子書籍で出して欲しかった。例歌はAmazonの注文ページにあるので読んでみてね。2024/10/02
りっとう ゆき
1
むずかしくない言葉の、日常の、そのすき間からどうしょうもなくあふれてくる宇宙。 ・マッチをすりたい、おどかしてやりたい、消してやりたい、この自我を ・笑った。そして苦しくむせた。生存が何であるかをそれでいて考えた。・あゝそうかと、悲しいことゝはまるで別な忘れ物を思い出している ・火星めはあんなに高いところにあるそこで悠然と赤電を待つとする ・流転する宇宙のエネルギーを考えていたら猫のやつ泥足で上ってきた2024/09/29