内容説明
日本の女性で初めて法律の世界に飛び込み、世界を舞台にジャーナリストとして短い生涯を駆けた北村兼子。同じく、世界の潮流をとらえながら社会を分析し、平等をもとめ続けた山川菊栄。現代のフェミニストたちが、ふたりをめぐるエッセイや論考を綴り、語り合う。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、家族制度、植民地支配、運動、立法、資本主義、戦争―誰よりも鋭く、広く、世界を見たふたりの言葉がこの先を照らします。
目次
北村兼子(法律でフェミニズムに目覚める;性加害と闘う;フェミニズムの言葉を磨く;“大大阪”の資本主義と労働運動を描く;セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツを語る ほか)
山川菊栄(論考 “いま、菊栄に続きたい1”山川菊栄の思想を明日へつなぐ;座談会 「山川菊栄文庫」にみる思想と横顔;論考 “いま、菊栄に続きたい2”恋愛の自由を売らずに生きていくために―廃娼論者としての山川菊栄が主張していたこと;論考 “いま、菊栄に続きたい3”山川菊栄の生理休暇論;論考 現代の課題にそのまま使える山川菊栄のリプロ論―堕胎を禁じるより、必要なる者には安全な方法を ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Guro326
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山川菊栄の名は知っていたが、北村兼子は知らなかった。婦人参政権とそれからそれから女性の権利もろもろについて、女ひとり文筆で闘い、ゆえに今よりももっとずっと劣悪な男社会のもろもろに悩まされつつも猛然と怒りたたかい、そして夭逝した方の、いくつもの文を編んだもの。それだけではまとまりがつかないのか、同時代に生きていた山川菊栄に対する評論を交えることで、現代から北村兼子を適切に批評しようという姿勢はうかがえる。2024/01/26
のる
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菊栄の部分があまりなかったのは残念だったが、生理休暇論が面白かった。藤沢に住んでいたことを初めて知った。『らんたん』の対談で、過去のフェミニストたちを線で見ないといかんという話がありよかった。2023/07/29