目次
2016年(これは京都です。;多忙遠望 ほか)
2017年(亀は沈むよ無帽のままで;料峭こそわが吉兆 ほか)
2018年(再就職も楽じゃない日々のうたかた;のろい電車がやってくる、カーブの向こうから ほか)
2019年(暴走六弦居士:俗名「さらば青春の光」with巴里;クランクインの声が久遠に響く一ケ月 ほか)
2020年(フォード原理主義の底知れなさ、または私の働き方改革について;「キダ沼」から抜けられないか、と思いきや春来りなば映画大逆襲 ほか)
著者等紹介
青山真治[アオヤマシンジ]
1964年7月13日、福岡県北九州市門司に生まれる。立教大学文学部卒。1996年『Helpless』で映画監督デビュー。2000年『EUREKAユリイカ』がカンヌ映画祭で二つの賞を受賞。同作の小説版が三島由紀夫賞を受賞。11年『東京公園』でロカルノ映画祭金豹賞。その他の代表作に『月の砂漠』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『サッドヴァケイション』『共喰い』など。2015年度まで四年間、多摩美術大学映像演劇学科教授。同学の卒業生、甫木元空監督『はるねこ』をプロデュース。制作会社「MINER LEAGUE」設立。2016年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科の学科長を一年のみ務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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踊る猫
27
実に他人の訃報に鋭敏に反応しているな、と思った。梶井基次郎の小説の登場人物たちを思わせる鋭敏な感受性を、世界に向けてさまざまな事象に率直に(時に「率直すぎる」と思わせる危うさを以て)切り込んでいる。これが青山真治という人の衒いのない生の姿/生の声なのだろうなと思った。病を乗り越え、映画や音楽やドラマ、ニュースなどに触れて貪欲に吸収しようとしている。私自身、青山真治のこの年齢と同じ年になったらここまで貪欲でいられるだろうか。そう思うと彼の批評眼に敬服させられざるをえない。実にすさまじい日記である、と感服した2022/12/12
急性人間病
3
青山真治は“古い人”である。彼がそう認める通りに。古さが人に及ぼす害は往々にして人が自分の古さを認知できない時に訪れるが、彼はなんとか認知できている己が古さにどうにか食いつき日々を過ごす。というより、認知せざるを得ない状況に日々打倒されている。繰り返される低血糖発作とアルコールの混迷、身体の機能不全、そして死せる人々と愛獣たちへの回顧がそれを物語る。その疲弊した重力と裏腹、彼は軽やかな趣味者、読者、観客、ミュージシャンでもある。身体の弾みさえつけば、それによってどこまで飛んで行けるような。あやかりたい。2022/04/15
ふ
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○2023/09/02
r
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某日、日付のない日記を読み終える。訃報を聞いたそのときから今までこの人のことばかり考えている気がする。残念ながらプライヴェートで謦咳に接したことはないが、いつからか生きる指針になっていた。彼のおかげで私は天皇制とヴェンダース、つまり日米を強く意識するようになったのだ。今は2冊目を読む気が起こらない。一生かけて紐解けばよい。2023/01/28
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