内容説明
野蛮なエスプリと高邁な屁理屈で語り尽くす、珈琲の技法、美味しいの境界線、喫茶店という文化。読むものを挑発し、苛立たせる、堂々巡りの「反=珈琲入門」。
目次
第1考 コーヒーのイメージの変遷について
第2考 豆を買うことについて
第3考 ドリップすることについて
第4考 コーヒーを味わうということについて
第5考 喫茶店でコーヒーを飲むことについて
著者等紹介
オオヤミノル[オオヤミノル]
1967年生まれ、年収四〇〇万円。予備校中退、浄土真宗地下本願寺派結成を目論み中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tom
6
著者の言ってることが俺にはスッと入ってくるんだけど、ある種の人には理解不能なことを言っているように感じると思いながら読んだ。中華料理屋でのエピソードもうんうんと頷く。日本の就労人口って圧倒的に第三次産業が多いけど、ほとんどが「サービスの素人」なんだよな。コーヒーについてはそれほど知識なかったんだけど、勉強になった。原産国の前にまず品種があるって当たり前の話だけど店のメニューに書いてあるのってたいてい国名だよな。インスタントのコーヒーが美味いと感じる日もある。2023/07/10
nobu23
6
コーヒー焙煎を行う筆者による独自のコーヒー論。 毒舌的な内容も多いが、嫌味は感じずに読める。 2023/06/16
千本通り
5
100頁に満たない薄い本なのだが、2017年に刊行されて以来長らく品切れ状態で、最近になって新装復刊した。著者が焙煎した豆は入手し難く、まして著者自身がドリップした珈琲を飲むのはもっと難しい。京都人独特の毒っ気が随所に見られ、その仲間意識も強烈に感じる。京都でよそ者が商売するのはつらいやろな。2023/07/28
zeeen
4
この本は豆の脱穀方法、焙煎、ドリップなど美味しいコーヒーの技能書を装った哲学エッセイだ。著者は美味しさの概念、サービスと客のあり方、カルチャーや資本主義についてまで語る。回りくどく毒っ気ある口調だがそこには商業主義に呑み込まれず資本が貼るレッテルに惑わされない生き方が感じられ好感が持てた。2023/12/12
natsumi
3
良い仕事をしたいよねというスタンスと実践について、一見めんどくさい角度から入って、至極まっとうなことを言っている。ぼーっと生きてたら出てこない言葉だと思う。「喫茶店のディスクール」と併せて読んで、尖っているようで中庸の人という印象。好きなものに大して受け身じゃいけないんじゃないのという指摘にはい〜となりながら、なんとなく飲んでるコーヒー一杯にもうちょっと意識を向けようかなとか反省したり。2025/02/22
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