内容説明
突然のがん宣告。治療後の人生を、あなたはどう生きたいですか?三十八歳で血液がん「悪性リンパ腫」発病。三十九歳で出産と死産。その後、再発がんや自己免疫疾患を治療し、四十六歳で再び出産した元新聞記者による九年の記録。
目次
プロローグ ハンドベル
第1章 発病
第2章 悲しいお産
第3章 入院、再び
第4章 再々発
第5章 静かな戦場
第6章 四十五歳の願い
第7章 奇跡の子
第8章 アンディ
エピローグ 母の日のクッキー
著者等紹介
村上睦美[ムラカミムツミ]
1964年札幌市生まれ。ウェスタンミシガン大卒。1992年、北海道新聞社入社。室蘭支社報道部、本社編集局生活部などを経て、2001年東京支社社会部。厚生労働省を2年間担当する。2003年、血液がん「悪性リンパ腫」を発病し、働きながら治療。2004年出産のため退社。その後、再々発したがんや2つの難病を克服し、2017年からフリーランス記者として活動を再開。医療問題を中心に取材・執筆している。2児の母(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
35
読むのが辛かった。著者の頑ななまでの「どうしても娘に兄弟を」の気持ちが強すぎて、御家族の思いが分かるだけに苦しかった。悪性の癌だけでも気持ちが萎えるのに、様々な病気に罹患する。私なら完治を目指して顔が丸くなろうが医師の処方や治療方法に素直に従うでしょう。しかし著者は違う。薬の影響で丸くなった顔が嫌で堪らない。薬は妊娠のしょうがいになるから嫌。何が何でも妊娠!強い。頑固。著者が一人っ子だったからだろうか。息子さんを授かり結果オーライ。娘の為に、脳梗塞で右半身不自由な夫の介護をしながら助けたお母さんが偉い。2019/10/20
ゆかり
6
子供が欲しいという気持ちは分かるけれども、私は旦那さんと同じように心配の方が大きかった。病気になると、一番辛いのはもちろん本人だけど、周りで支える家族も大変だなと、改めて実感。これからも、村上さんの健康と幸せが続きますよう祈るばかり。2019/06/10
あお
5
この世と黄泉の国にしか人は行けない。自分の子どもを失う悲しみ、失うかもしれない恐怖は親になってみないとわからない。子どもを産むということは奇跡に近いことだ。試練がきて立ち向かい、落ち着いたころ、また試練がやってくるのだ。より長い延命が可能になった一方、患者は思い描いていた人生が不可能になった失望感と折り合いをつけながら治療を続けて人生を生きていくことになる。自分が選んだ環境の中で、自分が望む家庭を築き、子どもの成長や家計の事情に応じて、臨機応変に働き方を調整する。著者のお母様のサポートに胸打たれます。2019/09/15