出版社内容情報
アリストテレスが提起した宇宙全体の「位置」についての考察を手がかりに、存在することの未知なるすばらしさを描き出す。思いもよらない幸福が私たちのなかにあり、また、私たちのそとにひろがっていた―。
古代ギリシアの哲学者アリストテレス以降、
二千年以上もの間、 忘却の闇に沈んできた問い、
存在全体の「位置」についての問いを手がかりに、
私たちの本当の価値、
存在することの未知なるすばらしさを描き出す。
あらゆる権威から逃れ、長きにわたる放浪・野外生活のなかで自然観察と思索、執筆を続けてきた路傍の哲学者による、「楽園」の再発見。
(四六判/160頁/書物の森刊)
本書の内容
■私たちがそのなかで生きているこの現実は、いったいどこに位置しているのか?
■「全体」という概念についてのアリストテレスによる定義、「全体とは、そのそとに何ものも存在しないもののことである」との定義と、「位置」という概念の必然的な相対性を考慮に入れると、存在全体というものには、位置というものが欠落しているという結論にならざるをえない。
■存在全体の位置のなさに対する理解によって、私たちの通俗的な世界観は崩壊する。
■私たちは、これまで自分がそうであると思ってきたような者ではないかもしれない。
■あらゆるいきものが、自分で構想したのではない形として生きているということは、何を意味するのか。
■私たちが真に自分自身であることは、自分自身でなくなることかもしれない。
■この場所が、どこにも位置していない夢のような場所だとしたら、私たちはどんなふうに、悪意や苦しみに向き合えばよいのだろう。
■愛と配慮が最高の理性である理由とは?
・存在のまぼろし性について
・配慮について
清水豊夜[シミズトヨ]
著・文・その他