目次
1 愛国心を持つことは自然なことか
2 国を愛することは簡単なことか
3 国のために尽くすことは正しいことか
4 国をどのように誇りに思うべきか
5 愛すべき“祖国”とは何か
6 愛国心の落とし穴とは何か
7 愛国者の覚悟とは何か
著者等紹介
将基面貴巳[ショウギメンタカシ]
1967年(昭和42年)神奈川県横浜市生まれ。駒場東邦高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学科博士課程修了(PhD)。研究領域は政治思想史。ケンブリッジ大学クレア・ホールのリサーチフェロー、ブリティッシュ・アカデミー中世テキスト編集委員会研究員、ヘルシンキ大学歴史学部訪問教授などを歴任。現在、ニュージーランド・ダニーデンに所在するオタゴ大学人文学部歴史学教授。英国王立歴史学会フェロー。『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会、2013年)で第35回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
39
キリスト教信仰を持たない私は、これに100パーセント賛同することはできません。では代わりに何か、と問われても今はまだ答えがわかりません。自分にとって、そのために死んでもいいと思える人の世を超えた何かとは一体何ですか?この問いにたったひとりで向き合い、答えをつかんだと思えたとき、私たちはきっと愛国という問題を乗り越えているはず/良きにつけ悪しきにつけ、この問いを封印したのが日本ではないのかな。/プリマー、ジュニアのような記述。ネットで気分は愛国みたいな少年少女への解毒剤には良いかも。2020/07/16
かんがく
14
巷で説かれる愛国心の欺瞞を暴く。歴史を学んでいる人間にとっては当たり前の内容ばかりだが、このようなことをわかっていない人々が多すぎる。パトリオティズムとナショナリズムについて極めて平易かつ、毒をもって論じていて、いわゆるネトウヨの人々に是非読んでほしいと思った。2020/01/31
まると
13
愛国論の入門書。若い人向けに書かれたようなので、論旨が明快で読みやすい。愛国(パトリオティズム)には「共和主義的」と「ナショナリズム的」の二種類あり、権力に対して批判的な態度をとる前者こそが本家本元、後者のような盲目的愛国は自己欺瞞を生むだけだと説く。メモしておきたくなるような箴言が随所にみられ、これまで頭の中でもやもやしていたことが少し整理できた。国や会社がうまくいっていないときに「離脱」するか「発言」するかを巡る理論が、自分の身の振り方とも相まって考えさせられた。紹介されている本もいずれ読んでみたい。2020/01/04
目黒乱
11
愛国を,自らのネイションに盲従するナショナリズム的パトリオティズムと,自由を中心とする共通善へ奉仕する共和主義的パトリオティズムの2つに分け,後者を顕揚しているが,結局,そのために命を捧げることを奨励するわけだから,戦争はなくならんやんと思いつつ最後まで読み進めると,やはり共和主義的パトリオティズムは好戦的という問題があるとの指摘があった。それを乗り越えるためにアウグスティヌスの思想がちょびっと紹介されていたが,それこそが一番知りたいことである。だから同じ著者の『愛国の構造』も読むつもり。2020/06/29
Masakazu Fujino
10
ほとんど著者の主張に賛同する内容だった。歴史の教員としては当然の主張である。今、多くの人に読んでもらいたい。著者の本格的な著書も読んでみようと思う。2020/02/13
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