感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だのん
13
女性作家さんのミステリー短編を集めた文芸誌。今まで読んだことのない方の作品ばかりで、後味の悪いものもあり、人間のずるさが痛く、でもそれもよかったりしてとても楽しめました。『ばあちゃんは見ている』が好きです。2024/07/03
timeturner
6
私にとってツボな「女性作家ミステリ」特集だったので小説も翻訳もコラムもするする読めた。切り口がそれぞれ違って面白い。クリスティー、レンデル、ハイスミス、コーンウェル、仁木悦子は予想の範囲だったけど(サラ・パレツキーの名がなかったのは意外だが、ああいうのはもう時代遅れなのかも)、エリザベス・ボウエンとシャーリー・ジャクスンには意表をつかれたな。創作は4作ともミステリではあるものの、状況もキャラクターも文体もまるで違ってて楽しい。翻訳短編は霊媒の大盤振舞い状態だったのでちょっと笑ってしまった。2024/06/11
いっこ
4
ひとり出版社のことは内田樹氏の著作で認識を新たにしたところだが、こちらもひとり小版元けいこう舎の刊行物。「eフィーバー」が面白かった。どっちが夢かわからなくなりそう。「ばあちゃんは見ている」は現実にありそうな設定にばあちゃんの語りを絡ませているのが絶妙。「わたしの愛する短篇作家」シリーズのうち「エリザベス・ボウエン 事件と生活の共犯性」も興味深く読んだ。ミステリ作家とも思っておらず、『友達と親戚』を読んだだけで蓋をしてしまったボウエンの世界に、もう一度足を踏み入れてみたい。2024/07/23