内容説明
宮沢賢治文学の研究ひとすじに歩んできた著者が示す、その真髄。まばゆいばかりの魅力の源泉の秘密が解き明かされるとき、私たちは、賢治がもっとよくわかり、好きになる!
目次
第1章 宮沢賢治という“熱情”に惹かれて(真正の「国民文学」;「非常時」の賢治作品 ほか)
第2章 賢治作品が多くの人を魅了してやまない秘密(不思議な感性;「共感覚」の持ち主 ほか)
第3章 教育現場での宮沢賢治の活かされ方、活かし方(小学校の教科書と宮沢賢治;はじめての「宮沢賢治」 ほか)
第4章 国境も時代も超える賢治作品(すべての人が芸術家!;本当のこと ほか)
著者等紹介
山下聖美[ヤマシタキヨミ]
1972年、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部教授。博士(芸術学)。日本女子大学文学部英文学科卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士課程修了。専門は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あきあかね
17
「賢治の存在感の巨きさは、豊穣、という言葉に置き換えることができます。···酸いも甘いも、清も濁も、善も悪も、神も悪魔も、すべてを含む豊かさを宮沢賢治は持っています。」 宮沢賢治の作品は、その時間と空間のスケールの大きさともに、容易には分かり得ぬ、多様な解釈を可能とする広大な物語世界を有している。作品の多くが童話という形をとっているために子供向けのイメージを持たれがちだけれど、例えば夏目漱石をはじめ日本の近代文学者たちが家族や社会との関係で自我に悩み続けてきたのに対し、⇒2024/07/21
金木犀
4
夏に岩手を旅してから、宮沢賢治の人柄や思想に興味を持った。それから読んできた関連書籍の中で一番読みやすく、心に響いた。著者の立場や思いにの熱さ共感しながら、賢治の心の視点に触れることができた。心に広い想像力の宇宙を持って「ほんとうのこと」を追い求める人でありたいと思う。2020/01/05