これからの医療・介護の話をしようシリーズ<br> 破錠からの奇蹟 - いま夕張市民から学ぶこと

これからの医療・介護の話をしようシリーズ
破錠からの奇蹟 - いま夕張市民から学ぶこと

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  • サイズ B6判/高さ 18cm
  • 商品コード 9784990856502
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

72
破綻し市の唯一の病院が閉鎖、診療所のみになってしまった夕張市。世界一の高齢化社会・日本にあって、日本一の高齢化の市。ということは世界一の市。それが、患者の市外流出などではなく純粋に医療費が減り(4億7千万)、癌・心疾患・肺炎による死亡率が減っている。この取り組みを発表した論文を、一般市民向けに平易に書いた本である。人の暮らしに寄り添う医療だ。生きることは、己れの死に方を自分で決めること。自然に身についている市民の意識があってこその快挙なのだとわかる。老衰死と診断することに誇りを持つ森田先生が素晴らしい。2016/07/31

ニッポニア

29
これは全国民が読むべき。破綻し、総合病院が機能を停止した夕張で、在宅による医療体制に変えても、以前と変わらない。答え、出たのでは。過剰な医療、潔癖それは意味のないものなのだ、と言われているよう。以下メモ。医療がなくても、老衰が増えるだけ。介護費医療費全て下がる。市民の意識、覚悟が変わる。胃瘻は家族、医者の自己満足。自然に最期を迎えることが町全体の文化になった。孤独死は、そこまで一人で生きていたということで、最も幸福なこと。2022/08/06

かわかみ

10
2007年に夕張市が財政破綻した後で、総合病院が閉鎖され、小さな診療所だけが残った。専門医がいなくなり、高度な検査や医療もできなくなった。ところが、ガン・心疾患・肺炎という三大死因による死亡率は低下し、代わりに自然死と老衰が増えたことで総死亡率は横ばいで推移した。一部では知られた「奇跡」の内情を詳しく説明したのが本書である。一見、地域医療のあり方のレポートのようだが、実は夕張以外に住む日本国民一人ひとりが自らの老いと病と死に向き合うための参考になる一書である。著者は一橋大学経済学部卒の医師。2024/12/17

Akira Kumoi

7
高齢化率が48%と日本の市の中で最も高い北海道夕張市。2007年の財政破綻によって市内唯一の病院は閉鎖、171床あった病床は、わずか19床の診療所に…。さてどうなったでしょうというのが本書です。数十年後には日本全体の高齢化率も40%台に突入する、つまり今の夕張は近未来の日本の姿と言えます。そんな夕張で「見えた希望は、私達全員の希望の光になり得ます」という森田先生の言葉のナカミを、より多くの方と考え合いたいです。2016/06/30

清水勇

4
著者は財政破綻した夕張市で地域医療改革に取り組んだ村上医師に感化され夕張に乗り込んで得られた知見から日本の現在の医療の問題点を明確に示す。驚いたのは、夕張市の高齢化率が日本最高の47%で、171床あった市立総合病院が閉鎖し19床の診療所になっても医療崩壊せず、医療従事者と住民が高齢者医療に対する意識を根本的に変え看護師・介護士が主体になることで、少ない医療費でも満足度の高い終末医療を実現したこと。「薬が切れても病院がなくなっても皆が笑っていられる」方法を、医療に隷属している日本人が夕張に学ぶべきだと痛感。2021/06/14

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