内容説明
奈良県東吉野村。人口一七〇〇人の村の山あいの、道から離れその先の、川にかかる橋を渡った石碑の隣。ひっそりとたたずむ一軒家、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」。自宅を開放して図書館を運営する夫婦がその生活を綴った一年間の日記に、書き下ろしエッセイと、山地での生活を考察した草稿「研究ノオト」を追加収録。
著者等紹介
青木真兵[アオキシンペイ]
1983年埼玉県生まれ。人文系私設図書館Lucha Libro(ルチャ・リブロ)キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。障害者の就労支援を行いつつ、大学等で講師を務めている
青木海青子[アオキミアコ]
1985年兵庫県生まれ。七年間、大学図書館司書として勤務後、東吉野へ。現在は私設図書館を営みながら、お針で手間賃をもらう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tenouji
9
少し懐かしさを感じる、奈良県東吉野村。私設図書館。いつか、行ってみたい。2023/02/20
takeapple
9
奈良県東吉野村の施設図書館ルチャ・リブロの日誌というべきなのかな?『彼岸の図書館』を読んでとってもよかったので買った。私も山村に逃げて来て本に囲まれた生活をしているから共感できる部分がたくさんあった。一度東吉野村まで行ってみたいなあ。山學ノオト2を読みたくなったよ。2022/09/17
qoop
6
奈良の山村に私設図書館を開いた著者夫妻の日記。都市へと集約される資本主義への懐疑を持ち、都市と付かず離れず、なるべく距離を取ろうともがき生きる生活実験の日々。〈生産性のない日々を生活してるだけ〉という帯文は謙遜などではなく、訣別の辞だろう。消費社会の競争から降りて別のロジックを求めようとする暮らし方に共感もするが、自分もそれを選ぶのかと言われたら、今の自分は選ばない。そうした目線で読んだ。自分のテーマの一つとも重なるので、少し考えたいと思えた本。2020/10/23
きゅー
5
人文系私設図書館ルチャ・リブロの夫婦お二人による日々の記録。私設図書館と言っても開館は月に5日程度で自宅兼の空間。サービスではなく「生活のおすそ分け」というイメージ、つまり持ちつ持たれつの相互作用という関係で運営しているようだ。図書館というよりは、地域課題解決型のコミュニティスペースという感じだろうか。精力的に活動をしていて、中央と地方という2項対立ではなく、地方そのものが自立する姿を模索している。オムライスラヂオというPodcastを配信しているので気になる方はどうぞ。図書館の様子はよく分からなかった。2023/12/22
チェアー
5
日々は繰り返しでいい。同じことをしているつもりでも、何かしら新しい。その新しいことは新しい自分を作ってくれる。吉野に移り住み、私設図書館を開きながらそこで暮らす毎日を1年を通して見てみると、夫婦が少しずつ変わって行く様子が分かる。2021/01/26