目次
第1章 疑惑(ストーカー;KY ほか)
第2章 認知症(診断;殺すぞ ほか)
第3章 変調(嘔吐;暴力 ほか)
第4章 小康(リハビリ;孫)
第5章 最期(ラストスパート;危篤 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
京 遊
10
前頭側頭葉型認知症・意味性認知症の母を遠距離介護して4年目に入った。このタイプの解説書や闘病記は皆無に等しく、もっと早く出会えていれば、と思えるほどに著者が語る苦労には同調できる貴重な一冊だと思う。タイトル通り「言葉を忘れ」ていくし見当識障害があるため会話が成り立たず、相手の望みを受け取れないもどかしさ。一生懸命介護していても暴力的な言動に打ちのめさたり行政・警察等に呼ばれたり。しかし、どんなに苦労させられても時折正気になって「ありがとう」と言われると、親が認知症だからこそ得られる幸福を感じられる。2022/09/21
いのごん
0
前頭側頭葉型認知症。母と同じ病で重なる点が多かった。著者のお父さんは8年間病と闘ったそうだ。発症は68歳と若く、異様な行動が続き家族が気付く。精神疾患に近く、著者も「心筋梗塞を患い摂生した生活を20年続けた、このストレスから逃れたく認知症になったのでは」と原因を推測しているが、私は原因はそのストレスに耐えられない弱い精神じゃないかと思う。母もストレスに対する適用が低いように思う。息子であるこの著者は弁護士であるが、最後に自分は適応障害の診断がなされた、と告白している。私も抗不安薬を処方されている。2020/04/12