感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
84
シュールレアリズムの祖アンドレ・ブルトンとポール・エリュアールの詩に日本の誇る宇野亜紀良のイラストが色を添える。「愛し合う愛」によって生まれる32の愛の形。「窓は開かれ、なかば開かれ、閉じられるだろう、窓は星をのぞみ、星は窓の方へのぼってくるだろう、星は窓にとどくだろう、あるいは家の反対側から入ってくるだろう。」フランス語では、窓は女性名詞で、星は男性名詞だそうです。本書の元になった「処女懐胎」は1930年発刊され、サルバトール・ダリのエッチングが表紙を飾っていたと寺村摩耶子の解説にある。2021/05/22
ケイ
83
なんとも、破廉恥な。 L'amourは、愛の意味をもつがセックスも意味する。内容は「恋愛」ではなく、「性愛」。32の愛の形は、性愛における体位。仏文と日本語訳があるので手にとったが、口があんぐりとなった。。ブルトンのシュールさはこのようにも発揮されるのか。オリジナルのダリの表紙を見たい。想像力をいやおうでも駆使してしまう書き方に脱帽。この後は18禁。2.[男があおむけに寝て、女が男の上に横たわっているかたちを「c」という] [10.「女が向かい合った男の肩に両脚をのせているかたちを「大山猫」という]2015/04/28
コットン
64
【〜珈琲読書会〜】愛のスタイルを名詞にしそのキャプションとイマジネーションを掻き立てる挿画とが渾然一体となって進んでいく。序文の「愛には、接吻と、抱擁と、問題と、そして問題のどこまでも不確かな出口とがある。」という混沌さこそが愛かもそれない。宇野亜喜良さんの雰囲気ある画が最高!2020/08/29
RyuRyu3
6
愛のかたちは様々である。 小舟での誘惑、永久カレンダーなど面白い言葉がたくさんあるだなと。 宇野亜喜良の挿絵目的で買ったのですごく良かった2023/09/05
水蛇
4
この上なくシンプルな表紙はまるで不思議でロマンティックなドアみたいで、そのむこうに果てしなくカラフルな世界が広がってた。簡潔ななかにも人間的なせつなさをスプーン1杯くらい混ぜた詩としての32の体位の解説、さらに宇野亜喜良によるコケティッシュなイラスト。解説と図解はばらばらに組み合わされてるから能動的にページを行きつ戻りつして読んでいく楽しみもある。四十八手の名称に日本文化が表れてるように、フランスでは「Ç」とか「聖体拝領台」って名づけてたりするところにも、その土地での生きた文化を感じて心くすぐられる。2025/02/03
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