感想・レビュー
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bapaksejahtera
16
東京の旧市街を含め北半分は武蔵国豊島郡。私は豊島郡の東に生まれ老齢に至りその西に移った。豊島は今でこそ区名に名を残すだけだが、元来最南端に現在の皇居を含む武蔵国の雄郡である。23区南半分は荏原郡で畑地帯ゆえ元来貧相な所だが今や時めいている。秩父平氏から出て南に所領を開いた名族の歴史を、著者は解り易く述べる。東京といえば太田道灌から始めるような安直な歴史記述に抗し、応仁の乱に先行した関東の大乱、後北条氏の滅亡と江戸幕府の開基に至る歴史を、石神井城の落城以降旗本となって生き抜いた豊島氏の事績を余す処無く述べる2023/08/25
ばけ
1
ちょうど大河で中世の日本をやっているので、はて源氏も平氏も関東抜きでは話が進まないのに関東は当時どんなだったかな、と、中世まで東京を治めていた国人領主、豊島氏の歴史ってちゃんと知らないなあと…郷土研究はいくつかあったので、まずとっつき易そうなこの本を読んでみました。中古でしか売ってませんでしたが…専門書をかみ砕いた感じの内容で、初めて読むにはちょうど良かったです。豊島氏が旗本になっていたこと、大奥で事件をおこした絵島が豊島氏の系列だったことは知りませんでした。さほど堅苦しくなく読みやすいいい本だと思います2012/04/07