内容説明
本書は、単なる「乳がん闘病記」ではない。患者として体験した心の叫びを綴る一方で、新聞記者ならではの視点で医療問題を見据え、自らモデルケースとなって「生」を探り続けた清廉なるノンフィクションである。
目次
第1章 乳がん発症。その時、私は(予兆;告知 ほか)
第2章 『生』に固執して闘う姿は、浅ましいか(選択;再入院 ほか)
第3章 患者の立場で考える日本のがん医療(局所再発;残像 ほか)
第4章 記者の視点でがん医療をライフワークに(試練;封書 ほか)
著者等紹介
本田麻由美[ホンダマユミ]
1967年、大阪府生まれ。91年、お茶の水女子大学卒業。同年4月、読売新聞社に入社。東北総局、医療情報部などを経て、2000年から社会保障部で医療・介護問題を中心に取材を担当。2002年春に乳がんが見つかり、半年のうちに局所再発。三度の手術に加え、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン治療を受けながら、がん医療に関する取材を始め、2003年4月から自らの闘病体験をもとに医療のあり方を考える連載コラム「患者・記者の視点」を読売新聞朝刊で開始。欧NPOの「Cancer Enlightenment 2004 Special Award」、「ファイザー医学記事賞」を受賞し、現在もタイトルを「がんと私」に改めて連載中。厚生労働省「がん対策推進協議会」や国立がんセンター「がん対策情報センター運営評議会」などの委員も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あお☆
1
読売新聞で連載を時々読んでいました。まとめて読むと考えさせられます。それにしてもこれだけ聡明じゃないとちゃんとした治療が受けられないのって怖いです。私がかかったら適切な治療を受けられるのかな?2008/12/29
ちょこ
0
元医療従事者の立場としては、やっぱりもっと患者とじっくりゆっくり向き合って、どんな一言も聞き逃さずに話を聞くこと、共に最善の方法を見つけ出す事が大事だと改めて感じた。いつか患者になるかもしれない立場としては、とことん納得のいくまで自分でも治療を選んでいかなくては、後悔するだろう。。と思った。病はマニュアル通りになんて進まず、治療法も絶対の正解はないんだけど…。2011/08/23
きさら
0
本書に出てくる「現代の闘病は情報戦」という柳田邦男氏の言葉を地でいく著者。身体で闘病しながら、頭で情報戦もかいくぐらなければならない現状。2010/10/15