内容説明
洗馬郷の名主新倉伴右衛門。一〇年間にわたり深川中屋敷に駐在、信州材を江戸で売り捌く「高遠藩深川木場プロジェクト」を仕切った。高遠藩の借財御用掛としての顔、尾張藩や水戸藩の材木御用達を務める政商としての顔、俳諧や国学・漢学にも秀でた文人としての顔を持ち、藩主や時の尾張中納言に拝謁したという記録も残る。まさに「一農民の分限を超える中央での活躍」を見せたのである。そんな伴右衛門を育んだ背景にも迫る、「信州洗馬文化史シリーズ」の第一弾。
目次
1章 高遠藩の名主新倉伴右衛門(信州高遠藩;洗馬郷の名主新倉伴右衛門)
2章 藩財政再建最前線に(深川木場プロジェクト)(基本計画;高遠藩深川中屋敷(木場)を材木取扱所へ ほか)
3章 松平定信の侍女「琴女」を妻に(松平定信;琴女 ほか)
4章 伴右衛門を育んだ洗馬文化と新倉家(名主の分限を越える人物(素養と行動力)
洗馬文化興隆期に育つ ほか)
5章 エピローグ(失わない社会への眼差し(新倉伴右衛門)
晩年の琴女)
著者等紹介
中原文彦[ナカハラフミヒコ]
元塩尻市立本洗馬歴史の里資料館学芸員。1953年塩尻市洗馬生まれ。1976年名古屋大学工学部卒業。川崎重工業(株)、セイコーエプソン(株)インクジェットプリンターの技術開発に関わる。2014年から本洗馬歴史の里資料館、平出博物館勤務。現在、本洗馬歴史の里協議会委員、信濃史学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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