内容説明
日本を離れてどのくらい経つのだろう。いつの間にかそんなこと、どうでもよくなっていた。旅とはそんなに不自由な身の上ではないし、何かと比較するのも無意味なほど、基準は自分だけのものだから。そして観光とほど遠いスタンスは、目的なくただぶらぶらとほっつき歩くことを常とする。そんなとき、そんなこととは全く関係なく出会う人たちがいる。次から次へと…。そうして現れては消える人たちは、いつしか目的めいてくる。アメリカ、メキシコ、エジプト、インド、チベット…。地球のどこかのショートストーリーズ。ロードムービーのような小説集。



