感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shinano
13
「漱石の思ひ出」は別だが、純粋な松岡譲の著作はまだ読んだことはないのだ。作家として男として、漱石の娘婿として、世から突きつけられた悪評を黙過し隠忍自重を選び、苦しかったであろう彼の境遇は知ってはいた。私には興味ある作家なのだ。作家も人間である。故郷もあり、趣味もあれば生を活性するような友もいる。松岡譲がひとりの人間として接した人々へ贈った自分の書画や、住んだ家跡、故郷での文人活動の痕跡を探索していくノンフィクション作品である。「評伝 松岡譲」を案内本としている。松岡の友人調査に重点があったのがやや残念。2011/02/23