内容説明
さくらのつぼみがふくらむころ、そうたの町では、どこからか、「トーヒャラドンドン」と、おはやしの音がきこえてくる。もうすぐ「虎舞」(とらまい)のまつりだ。家のなかでは、そうたのすきなとらのめんをかぶった五年の兄ちゃんが、こしをおとし、足をふんばって、リズムをつけてれんしゅう。おもわずそうたは「いいなー、兄ちゃんは。おれもやりたいなー」。
著者等紹介
なかむらひろし[ナカムラヒロシ]
1928年愛媛県に生まれる。日本大学文学部卒業。都内で小学校教師生活30年。現在、子どもの文化研究所、日本民話の会に所属し、日本子どもを守る会会長、東京総合教育センター教育相談員などを務める
ふくだいわお[フクダイワオ]
1950年岡山県に生まれる。日本児童出版美術家連盟会員
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感想・レビュー
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ふじ
13
祭りの予習。地域の祭りがこうして絵本になってるっていいなぁ。きっと私の地元はないだろう。二人一組で虎の被り物をして舞う祭。それに出ることになった兄ちゃんと、憧れてバチを握り付いて歩く弟。じいちゃんや父さんから受け継ぎながら当日、力強い舞を見せる。ちなみに、虎のビジュアルは初見ではわりと怖い。慣れるとイケメン。2017/03/23
遠い日
10
勇壮な祭りを受け継ぎ守ることの意味。地域の絆、子どもの成長。協調や誇りも、子どもを育てる。宮城県中新田の「火伏せの虎舞」。練習から本番の日までの緊張感とわくわく感。まだ参加できないそうたも、いつかの日を夢見て、「見る」ことで覚えていく。祭りを受け継ぐことは町の歴史を受け継ぐことだ。2018/10/30
printemps
0
宮城県中新田にあるお祭りのおはなし。高学年になった子どもが虎舞を練習して大人と一緒に参加する。小さい子はそれに憧れて練習する。屋根の上に登るのが珍しい。2023/08/17