内容説明
本書は、個人の自律性に依拠しつつ、なおかつ社会の統治はいかにして可能かをめぐって、社会契約というフィクションに代わる実質的なシステムを作ろうとしたジェレミー・ベンサム(Jeremy Bentham,1748‐1832)の立法論・社会統治論と、その根幹に位置していたとも言うべき教育論とを検討する。
目次
序章 ベンサムを主題化するということ
第1章 ベンサム立法論における統治と教育
第2章 ベンサムの施設経営論
第3章 クレストメイシア学校構想
第4章 ベンサム教育論が目指した社会像
結章 近代教育論としてのベンサム教育論
著者等紹介
小松佳代子[コマツカヨコ]
現職 流通経済大学スポーツ健康科学部助教授(博士・教育学)。1995年東京大学大学院教育学研究科単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、東京大学教育学部助手。2000年流通経済大学経済学部講師。2006年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バケツ
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ベンサムは快不快に働きかけることだけが公権力にできることと考えていて、パノプティコンはフーコーの言うような監視社会の縮図ではなく、囚人本人の自由と安全を保ったまま自主的に更生に至らせられる人道的監獄として構想された。ベンサムは当時の粗悪な監獄を問題視していた。パノプティコンは民間でも非常に運営しやすいシステムだった。…のようなことが書かれている2章初めあたりまで読んだが、返却期限が来たので一度返却。3章はこの仕組みを応用した上流階級の子息向けの学校の話?クレストマティア教育の話だった。また続きを読む予定。2021/11/01