内容説明
理想は掲げなければならない。現実は越えられていくもの…。戦争、貧困、環境破壊、差別、そして原発事故。悲劇を悲劇のままで終わらせないために。
目次
1 原爆・原発と憲法9条
2 私が原子力に反対をする根本的な理由―二〇一一年四月一三日『FMわぃわぃ』小出裕章インタビュー
3 どんなに苦しい事実であっても―二〇一一年一〇月三一日『FMわぃわぃ』小出裕章インタビュー
著者等紹介
小出裕章[コイデヒロアキ]
1949年、東京生まれ。1968年、原子力の平和利用を信じ東北大学工学部原子核工学科に入学。しかし学ぶなかで原子力の危険な実態を知るようになり、1970年、女川で闘われていた原発反対運動に参加。以後、伊方原発裁判、人形峠ウラン残土問題等、一貫して住民側の立場に立ち、専門家の立場から原子力の危険性を訴え続け現在に至る。東北大学工学部原子核工学科卒、同大学院修了。1974年に京都大学原子炉実験所助手になる。2007年4月に教員の呼称が変わり、現在は助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
16
再稼働、海外に輸出を画策する原子力ムラ。 絶対に安全発言を誤りと認め、 責任を負う必要がある(6頁)。 全く同感。 原子力は核というなら、 核拡散防止条約違反になると思う。 平和利用の欺瞞を感じた。 米国は、ハンフォードという僻地に秘密都市 を造り、原子炉を建設(39頁)。 マンハッタン計画は、ウラン発掘が広島原爆、 長崎原爆、劣化ウラン弾に帰結する(41頁図8)。 高速増殖炉については、 『10年実際の時間が経つと、夢が20年先に逃げる』 ということのようだ(66頁)。 2014/04/11
D21 レム
6
星5つ。今まで読んだ原発関連本の中で一番わかりやすかった。大事なことがもれなく入っている本。第1章の92ページだけでも読む価値がある。原発の問題の根底には差別の問題がある。ドイツのニーメラーの話も心に響いた。私たちは100%被害者ではない。「知らないふりをしていた」人は本当に関係ないのか?といういじめ問題に通じるものがある。誰かをバッシングするという無駄なエネルギーを使っている場合ではないなあと思う。マニュアルなき時代を生きていく心構えが少しはできた気がする。2012/02/22
Aira
4
昨日の小出さん講演会@宇部にて購入。さくっと読めます。ポイントは、日本が原発を推進する本当の目的、”核兵器を持ちたい”と思っているから、に尽きる。憲法9条では、軍隊は持たない、戦争はもう一切しない、といいつつも、政府の公式見解は「自衛のための必要最低限度…(略)…核兵器であろうと…(略)…保持することは禁ずるところではない。(=自衛の為なら核兵器だって持ってもいい。)」(1982年の国会答弁)だとか。はぁ?って思うけど、既に長崎原爆4000発分のプルトニウムを蓄積してることからも、実感できる。この政府の方2012/03/19
山口透析鉄
3
氏の図書館で借りて読了。小出氏には出版社経由でメールで感想を送りました。氏の本もかなり読んでいますね。 東日本大震災以降、私も本格的にSNSを使用するようになりましたが、やはり匿名度が高く、要は終わっているSNSだとどうにもならないコメントが散見され……中でもmixi「波乗り軍曹」の、「最大のテロリストは小出裕章」なる妄言には心底呆れ果ててしまい、この本の読後感との対比でもひどくて、人間はどこまででも愚かになれるものだと痛感するものもあります。まぁここまでイカれた発言も珍しいでしょうが……2022/10/13
けんとまん1007
2
平易な言葉で、わかりやすい。基本的な疑問として持っていたことが書かれていた。なぜ、首都圏に原発を作らないのかということ。それはそれとして、この国の権力の中枢にいるといわれていいる人たちの使う言葉の、究極のわかりにくさの理由もわかったかな。2013/04/28
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- 和書
- 書物の出現 〈上〉