内容説明
食と、歌舞伎と、錦絵と。三代豊国(国貞)、広重、国芳…。浮世絵師が描いた美しい彩色の錦絵から江戸の食生活と庶民の暮らし方を文献と日記類に基づきあきらかにする。フルカラー版。
目次
行事の食(正月;雛祭;端午;七夕;土用干;二十六夜待;重陽;酉のまち;餅つき)
行楽の食(梅見;花見;潮干狩;花火;月見;雪見)
芝居の食(芝居町;芝居小屋;芝居茶屋;楽屋;正月の宴・初芝居;顔見世;舞台)
商いの食(魚市場;魚屋と獣肉屋;魚と野菜;料理屋;茶見世;行商;菓子屋)
旅の食(旅籠;道中の名物)
日常の食(食事;台所;鰹節;子供の飲食;菓子と酒)
江戸のの美味(海苔・白魚;初鰹;刺身;すし;田楽;天麩羅;蒲焼;蕎麦)
江戸料理再現(国立劇場十八番;歌舞伎座厨房)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
270
著者の松下幸子氏は千葉大学名誉教授で、調理学、江戸の食文化の研究者。表紙の広重の「東都名所高輪二十六夜待遊興図」などはたしかにタイトルにいう「錦絵が語る」に叶うが、全体としては錦絵からだけでは江戸の食を語るには心もとない。ただし、本書では『守貞漫稿』や『東都歳時記』をはじめとした各種文献の記述を拠り所としており、統体としては、江戸の食文化をよく伝えていると言えるだろう。先の『守貞漫稿』には握りずしの詳しい図解などもあり、江戸文化の明るい側面をうかがい知れる。2024/07/30
ぽけもえ
2
江戸の食文化を、行事と主流の食べ物に着目し、錦絵を使いながら解説。フルカラー。当時の絵のお陰で、解説内容にも臨場感が出て、とても読みやすい。2010/10/21